償いの流儀 の商品レビュー

神護かずみ(著者)

2024/01/31

「ノワールをまとう女」の続編。オレオレ詐欺集団の一つを壊滅に追い込んだ奈美は、組織の残党から復讐の標的として狙われる。背後にある黒幕を突き止めようと立ち向かっていく奈美の姿はとても男前。満身創痍の奈美の前に現る人物たちが誰が味方で誰が敵なのか。面白くて読みやすかった。

2022/07/08

神護氏の描かれる世界はハードボイルド・タッチで、私好みのテンポでストーリーが切れ味良く、且つ妖しく展開して行く。
女性が主人公でありながらもノワール的激しさが加わり、寝不足を顧みずに一挙に読み進んだ。
多少詰めの甘い無理のある設定も垣間見られたが、それもまた良し。
ミステリーの要素もあり、勘の良い読者であれば、おぼろげに結末が予想可能だと思うが、それもクイズ的な楽しみの一つとなる。
厳しい評価をしがちな読者にとっては、私程には楽しめないかも知れないので念のため。
鷹揚な私にとっては久方振りに一挙読みの娯楽的な楽しい読書との巡り合いになった作品だった。
暇を持て余す人には、疲労感を感じない最適な一冊かと思う。

2022/07/03

帯に書いてあるあらすじで9割書いちゃってるから内容は実質2、30ページ読めば読破したようなもの。
続き物と知らずに読んだけど前作の内容が割と書いてあってそこはぼかしてほしかった。

2022/03/22

03月-11。3.0点。
近くの知り合いの老婆が、オレオレ詐欺の被害に。通報し詐欺団は逮捕されるが、復讐の標的に。。

スピード感はあったのだが、オレオレとの対決構図への動機が、少し弱い気がした。
前作での親友の恋人の正体が、途中から薄々とわかってしまった。

2021/09/20

正義の鉄槌？
なんて柄じゃないけど

オレオレ詐欺に遭った「角のおばちゃん」の仇を取ろうと
証拠をつかんだ詐欺集団を匿名で警察に通報したつもりが、
逆に逮捕を逃れた残党に居場所を知られ、復讐の標的に。
背後の組織をつかみ切れない奈美が選んだ窮余の策とは？

企業のトラブル請負という仕事をめぐって最愛の恋人・雪江と師を続けて亡くした西澤奈美は心の整理がつかず空虚な日々を送っていた。そんな彼女が親しみを寄せるタバコ屋の上井久子がオレオレ詐欺に遭う。
久子を慰める術を持たない奈美だったが、自分が入居する雑居ビルのオーナーから隣のビルに入った怪しげな会社が詐欺集団ではないかという見立てを聞き、密かに証拠をつかみ匿名で警察に通報する。しかしその後、逮捕を逃れた残党の影がちらつき、たびたび襲撃を受けるように。
奈美は、彼女が育った児童養護施設の後輩で雪江を慕っていたという松井の協力を得て久子を騙した犯人を突き止め、ついには自ら拉致されて敵地に辿り着くという無謀な賭けに出る……。

満身創痍の西澤奈美、絶体絶命！

2020/11/17

シリーズ2作。現在無職？の主人公西澤奈美。オレオレ詐欺の被害にあった近所のタバコ屋のおばあちゃんの仇討に、証拠をつかんで警察に通報したが残党に狙われて…。伏線を張りながらのスピーディな文章と展開は◎。ハードボイルドだが孤独で脆さものぞかせる彼女は魅力的だ。

2020/10/19

株のトレーダーを自称している主人公の生活の糧が何かわからない。オレオレ詐欺を警察に密告するもリアルさがない。しかもハードボイルドもどきに詐欺師集団を相手にたった一人で立ち向かう。感傷で成り立ってるようで方向性が見えない。

2020/09/29

一気に読了。柚月作品とダブル。伏線たくさんあって楽しめるが、早々登場する松井怪しすぎなのに、洞察力あふれる主人公が信用してしまうのは…

2020/09/22

「ノワールをまとう女」続編。前作で大切な人たちを失った奈美。彼女が今回関わるのは、オレオレ詐欺。知人が騙されたことから詐欺集団を突き止め通報するものの、残党に狙われることに。しかもただの詐欺集団にしてはかなりの強敵。彼女は単身でどのように立ち向かうのか。スリル満点でかっこいいハードボイルドミステリ。
かっこいいのだけれど……危なっかしくてはらはらするところも。終盤の作戦、相当無茶じゃん！　まあ大丈夫なんだろうなあ、とは思いながら読みましたが。気が抜けないったら。そしてタイトルの意味が重い……。しかし彼女の活躍はまだ続くのでしょうか。