ちあきなおみ 沈黙の理由 の商品レビュー
ちあきなおみは、夫であり、彼女をプロデュースした人物でもある、郷えいじ氏("えい"はカネへんに英語の英、じは治。私のPCではうまく変換できないので、ひらがなで書く)の死去と同時に、歌うことを辞め表舞台から姿を消した。本書の筆者は、ちあきなおみの元マネジャーであ...
ちあきなおみは、夫であり、彼女をプロデュースした人物でもある、郷えいじ氏("えい"はカネへんに英語の英、じは治。私のPCではうまく変換できないので、ひらがなで書く)の死去と同時に、歌うことを辞め表舞台から姿を消した。本書の筆者は、ちあきなおみの元マネジャーであり、郷氏の死をはさんで8年間、ちあきなおみを支えた人である。その元マネジャーが8年間のちあきなおみのエピソードを語っているのが本書である。 「沈黙の理由」というのが、本書の副題であるが、それは実際には語られていない。マネジャーを務めていた8年間の出来事の描写にほぼ尽きている。仮に「沈黙の理由」を本当に書こうとすれば、ちあきなおみと郷氏の出会いといったところから書き始めないと、書いたことにならないだろうが、そういう内容には深くは触れられていない。8年間のちあきなおみのエピソードは、それはそれで興味深いものではあるが、やや看板倒れの1冊という印象は否めない。
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ちあきなおみが芸能活動を休止した理由について、元マネージャーが書いた一冊。 彼が旦那の郷氏のために歌っており、かつ旦那が亡くなった時点で歌う理由がなくなったということがよくわかった。
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昭和47年「喝采」で日本レコード大賞受賞のちあきなおみさん(本名:瀬川三恵子)。4年の交際を経て、昭和53年、宍戸錠の実弟、郷鍈治(養子:瀬川鍈治)と結婚。平成4年9月11日、郷鍈治、肺癌で没。郷氏の死と同時に歌うことを封印したちあきなおみ。「私は、郷さんのために歌っていた。もう歌うこともないし、幸せを感じることない。」 没前1年、マネージャーとして、没後7年、ちあきなおみの傍にいた著者のこの夫妻に対する思い。古賀慎一郎「ちあきなおみ沈黙の理由」、2020.8発行。
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平成4年に夫・郷鍈さんが亡くなってから歌を歌わなくなってしまったちあきなおみ。 当時を含めて8年間、彼女のマネージャーを務めていた古賀慎一郎さんが書いた本だが、夫婦の強い結びつきがよく描かれている。強いというよりも強すぎる、もっと言えばマインドコントロールされていたのではないかとも思えるような結びつき…。 ちあきなおみは夫が亡くなっても彼のコントロールから抜け出すことは出来なかったのだろう。 今、73歳の彼女は神奈川県の二宮でどうしているのだろう…。 彼女の曲がヒットした時にリアルタイムで聴いてはいるのだが、もう一度、彼女の歌をじっくりと聴いてみたい。
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『喝采』でレコ大を受賞して数年後に「ヒット曲を追うのではなく、自分が歌いたい歌にじっくり取り組みたい」としばしの充電期間に入る、という彼女のバイオグラフィーが日本コロムビアHPにも載っているが、路線変更に反対する当のレコード会社が手を回して業界から干されていたというのが真相である...
『喝采』でレコ大を受賞して数年後に「ヒット曲を追うのではなく、自分が歌いたい歌にじっくり取り組みたい」としばしの充電期間に入る、という彼女のバイオグラフィーが日本コロムビアHPにも載っているが、路線変更に反対する当のレコード会社が手を回して業界から干されていたというのが真相である。そんな試練を経ながらシャンソン、ジャズ、ファドなどジャンルを超えた歌の世界を築き上げ、TVや舞台でも活躍した功績を元の所蔵先も認めるしかなかったことがサイト(https://columbia.jp/artist-info/chiaki/prof.html)でもよくわかるが、ちあきなおみを支えてそれを実現させたのが夫でありマネージャーだった郷鍈治であることに納得する一冊。
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約30年前の夫の死後から現在に至るまで歌手活動を再開せず、沈黙を守っているちあきなおみについて、現役時代最後の1年と、沈黙開始からの7年の合計8年間をマネージャーとして付き添った著者の手記。 ちなみに夫は元映画スターで、俳優宍戸錠の実弟でもあった郷鍈治。俳優引退後はちあきなおみ...
約30年前の夫の死後から現在に至るまで歌手活動を再開せず、沈黙を守っているちあきなおみについて、現役時代最後の1年と、沈黙開始からの7年の合計8年間をマネージャーとして付き添った著者の手記。 ちなみに夫は元映画スターで、俳優宍戸錠の実弟でもあった郷鍈治。俳優引退後はちあきなおみの個人事務所社長兼マネージャー兼プロデューサーだった。 ちあきなおみは未だにBS放送などでは特集番組がたびたび組まれるくらいの、衰えない人気っぷりだ 著者は二人に心酔するあまり、本書でも二人を神格化するレベルでの記載となっているところにはちょっと鼻白む気もしたが、それでも本書からはちあきなおみと郷鍈治の魂レベルでの深い結びつきっぷりが伺え、なるほどこれでは郷の死後周りからどんなに切望されても歌う気にはならないというのも何となく理解できた。 なお、本書で一つクリアになったことは、巷間ちあきは夫が荼毘に付されるときに「私も一緒に焼いてっ!」と叫んだとの話が伝説のように語られていたが、著者はその場にもいて、そのような発言はなかったと否定している。 ただ、目を離すと夫の後を追うのでは無いかと思い、宍戸錠の姉と著者とでちあきにつきっきりとなって監視していたということはあったとのこと。 私もベスト盤で彼女の歌をたまに聴くことがあるので、本書を読んであらためて生のステージを観てみたかった、聴いてみたかった、との思いを強くした。
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