才能をひらく編集工学 の商品レビュー
編集工学とは何かというところから始まり、どうすれば自分や世界を「編集」できるのかという解説や、そのためのフレームワーク的なメソッドが書かれている。自分の頭にはまっている枠を広げたり、既存の枠を取り除いて新しい枠をつくったり、枠のすきまで遊んだりするのは、何かもっと偶発的に起こるも...
編集工学とは何かというところから始まり、どうすれば自分や世界を「編集」できるのかという解説や、そのためのフレームワーク的なメソッドが書かれている。自分の頭にはまっている枠を広げたり、既存の枠を取り除いて新しい枠をつくったり、枠のすきまで遊んだりするのは、何かもっと偶発的に起こるものだと思っていたけど、編集工学の手法を用いるとそれを意図的に行えるようになる。実際にメソッドを体験できる章もあり、なんとなく思考がふわっと広がる感じがした。 特におもしろかったのは物語の話。物語というのはただの娯楽ではなく、メッセージを伝えたり情報を保存したり、世界を理解したりするためにも重要で、その必要性はこれからも高まっていくのだそう。私も物語をつくりだせる人になりたいなあ。 本書の内容を全部理解するのは正直むずかしかったけど、行き詰まったときのヒントはたくさんつめこまれているから、折に触れて活用したい。 【読んだ目的・理由】編集について考えたくて/松岡正剛氏が気になったので 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.0 【一番好きな表現】物事のあいだに潜在する関係を見つけ、組み合わせをつくることによって、新しい意味や価値を生み出していく。この関係の発見を意図的に起こしていく営みが「編集」であり、それを遂行する力が「編集力」です。「編集力とは関係発見力である」と言ってもいいでしょう。(本文から引用)
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博覧強記の著述家にして、空前絶後の読書ナビゲーションサイト「千夜千冊」を運営する松岡正剛さん。本書は松岡さんが提唱する編集工学のノウハウを紹介するものである。著者は松岡さんの弟子であり、編集工学研究所の専務取締役の安藤昭子さん。 「編集」というと書籍や映像制作が思い浮かぶが、編...
博覧強記の著述家にして、空前絶後の読書ナビゲーションサイト「千夜千冊」を運営する松岡正剛さん。本書は松岡さんが提唱する編集工学のノウハウを紹介するものである。著者は松岡さんの弟子であり、編集工学研究所の専務取締役の安藤昭子さん。 「編集」というと書籍や映像制作が思い浮かぶが、編集工学ではそれを「情報に関わるあらゆる営み」と定義する。そう考えると世の中は複雑な情報の総体であり、編集力は、仕事はもちろん、日々の暮らしのあらゆる側面で求められる能力である。それら相互作用する複雑さを扱う技術として「工学」を編集と掛け合わせた造語が「編集工学」である。 まず、印象的なフレーズとして、松岡さんの「情報の海に句読点を打つ」という言葉が紹介される。それは後に紹介されるアナロジーにもつながる例えである。本書で語られるのは、本来は多面的な情報を、世に蔓延するステレオタイプに捉われず、いかに区切るか、どう編集し直すか、である。 そして、そのための武器として、アナロジー、アブダクション、アフォーダンスの視点が紹介され、物事のアーキタイプにまで潜り込むことの大切さが説かれる。実践的なワークもある。 ビジネスよりの書き方がされているが、非常にわかりやすく、デザインも秀逸である。編集工学の一旦を見た気がした。より深く知るにはイシス編集学校に入学するしかないのだろう。 かつて松岡さんが企画した丸の内のブックストア、松丸本舗で受けた衝撃を思い出した。今なお更新され続ける「松岡正剛の千夜千冊」は巨大な知の存在に圧倒される。はるかに高い頂きである。
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<目次> 特別寄稿 松岡正剛 第1章 編集工学とは? 第2章 世界と自分を結びなおすアプローチ 第3章 才能をひらく「編集思考」10のメソッド 第4章 編集工学研究所の仕事 第5章 世界はつながっている <内容> 編集工学研究所の専務による、「編集工学」のノウハウと編集工学研究所の仕事を教えてくれる本。松岡正剛が言うところの「編集」とは、すべてを解きほぐし、再度さまざまな形に結びなおすこと。それは哲学的であり、学校の教科を横断したり、社会の常識を見直すことであったり、さまざまな気づきが生まれてくることなのだ。学校でも役に立つ学びが多く盛り込まれている。
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編集工学のエッセンスを記した本。 編集工学とは、情報を扱う学問といえる。外部にある情報を工学的に扱い、内部にある情報を編集していく。情報は知識=記憶。記憶は、編集と密接に結びついている。意味づけにより、短期記憶は、長期記憶に変わる。この長期記憶に変化を与えるのが編集。 編集力は、個人や組織の才能を惜しみなく解放させるもの。 その理解の上に立って、まず、世界と自分を結びなおすアプローチを紹介。 重要概念がきらめくように沢山出てくるが、編集工学としてのHOWの観点から重視されている視点がわかるのがよい。 例えば、3A:アナロジー、アブダクション、アフォーダンス 他にもいろいろあるが、実は、本書の著者オリジナル部分は最後の方にあるホワイトヘッドの哲学を著者の視点で解釈している点にある。
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まず編集という言葉について、自分が持っていた概念とは随分異なっていた。もともと持っていたイメージは、書籍や映像を切り取りまとめる様な編集であったが、ここでの編集はもっと広く、情報全般を包含している。それは生命活動や世界のあらゆる関係も含んでいるという理解。 そういうと、あまりにも壮大な話になるのであるが、本書ではより具体的に編集工学の方法が紹介されており、凝り固まった考え方を解き放って、いかに新しく世界を見るか、その見方について知ることができる。 とにかく知識を頭に入れていかなければ、と思いながら入れても今ひとつ自分自身の身になっていなかったり、そもそもの好奇心が薄れてきていると感じている状況にあって、非常に惹かれる内容であった。 おそらくここで紹介されている10のメソッドは編集工学の入り口であり、超基礎なのだろうが、それだけでもこれまでの視点を変えてくれた気がする。 それ以上は、編集工学研究所と関わりを持つことで得られるのだろうが、まずはここで紹介されている内容をもっと噛み砕いて体感として身につけたい。
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