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梁啓超文集 の商品レビュー

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2024/08/29

大から小になったのがトルコ、小から大になったのがロシア。存から亡になったのがインド・ビルマ・ベトナム、亡から存になったのがシャム(タイ)。強から弱になったのがペルシア、弱から強になったのが日本。勃興している国はどれも新しい制度にあらため、君主が民と交流している。その内、最も文明が...

大から小になったのがトルコ、小から大になったのがロシア。存から亡になったのがインド・ビルマ・ベトナム、亡から存になったのがシャム(タイ)。強から弱になったのがペルシア、弱から強になったのが日本。勃興している国はどれも新しい制度にあらため、君主が民と交流している。その内、最も文明が備わり、最も中国に近いのが日本である。康有為『日本変政考』1898 国体。参政権と愛国心は密接な関係にある。国民が政治に発言できないのに、国家と一体となって苦楽をともにしようとは思わない。民意機関(議会)を創設して、自由に表明される輿論を育成すべき。辛亥革命で帝政が廃止されたのにまだ皇帝になりたい袁世凱への戒めの手紙。p.398 ▼一個人の思想を金科玉条として世の人心を制限すれば、他の人々の創造力を抹殺し、社会の進歩を止めてしまう。ある学説に批判を許さないなら、かえってその学説は批判に耐えられないかのような印象を与える。p.421-422. ※りょう・けいちょう。日清戦争敗北後、中国分割が進む。従来の洋務運動(中体西用)ではダメ。日本のように技術だけでなく政治制度も近代化すべき。康有為の弟子。光緒帝。しかし、清王朝を守りたい西太后に弾圧され(戊戌の政変1898)、日本に亡命。立憲君主政を主張し、共和政を主張する孫文と対立。

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2020/09/27

粱啓超の名前を久しぶりに目にした。そして著作を初めて読んだ。 大学で中国史を専攻していた時は康有為の高弟、といった程度の認識しかなかったが、師との距離もある時は密接しある時は離れ、西洋に対する理解もある時は儒教に附会にある時は日本の翻訳を介してある時は西洋文明をそのまま受け入れ...

粱啓超の名前を久しぶりに目にした。そして著作を初めて読んだ。 大学で中国史を専攻していた時は康有為の高弟、といった程度の認識しかなかったが、師との距離もある時は密接しある時は離れ、西洋に対する理解もある時は儒教に附会にある時は日本の翻訳を介してある時は西洋文明をそのまま受け入れ… 清朝の衰退から終焉、軍閥の乱立を経て国共の対立へ、揺れ動き苦悶する一人の知識人を追う本として興味深かった。 これから中国近現代史を学ぶ人は勿論、好悪問わず中国が気になる人達に読んで欲しい。 ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

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2020/08/23

 本書は、清末、民国初期にかけて活動した梁啓超の評論を編集して一冊にまとめたものである。   その名前こそ知っていたが、ある程度まとまったものを読むのは初めてであった。  時系列で配列されているので、時代の推移や状況の変化、あるいは儒学思想や西洋思想の学び等によって、その思想が...

 本書は、清末、民国初期にかけて活動した梁啓超の評論を編集して一冊にまとめたものである。   その名前こそ知っていたが、ある程度まとまったものを読むのは初めてであった。  時系列で配列されているので、時代の推移や状況の変化、あるいは儒学思想や西洋思想の学び等によって、その思想が変化、深化していった変遷を追っていくことができたし、各編ごとに簡潔な解題が付されているので、その論説の時代背景や意義について理解を深めることができる。  日本で言うと、福澤諭吉の存在に近いのだろうか。西洋列強に対して、母国の独立を保ち、発展していくためにどうすれば良いかを考え抜き、ヨーロッパの学術の活用を考えたこと、一部の為政者ではなく国民の覚醒が大事であると考えたこと、新聞の発行等を通して広くその考えを宣布したこと、等々である。  清朝末期の戊戌新法への参画、日本を含めた海外への逃亡、建国早々の民国国政への参画と、正に近代中国の激動の時代を駆け抜けた人生だったことを、各論説を通して知ることができた。  岩波文庫らしい、思想家・評論家のエッセンスを概観できるセレクションである。

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