信長 空白の百三十日 の商品レビュー
信長の精神分析本。一応史実をベースとし、精神科医の知見も用いながら、小説家である著者の想像力で語るという内容で、読み物としては面白い。 精神科医の「大きなことを成し遂げるのは<変わり者>が多いが、あまりにも異常だと大きなことを成し遂げるのは難しい」というようなコメントが印象的。結...
信長の精神分析本。一応史実をベースとし、精神科医の知見も用いながら、小説家である著者の想像力で語るという内容で、読み物としては面白い。 精神科医の「大きなことを成し遂げるのは<変わり者>が多いが、あまりにも異常だと大きなことを成し遂げるのは難しい」というようなコメントが印象的。結局はこの「境界線」が問題なのかと。
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信長を主に信長公記から分析した一冊。 信長が躁鬱気質で、何らかの精神疾患があったという分析は、これまでもある程度言われているものの、改めて読むと新鮮だった。 また本能寺の変についての独自の考察を重ねており、面白かった。
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歴史小説作家木下昌輝さんの新書。 『信長公記』の空白130日間に注目。信長のパーソナリティに注目している点が、非常に興味深い。激高したかと思えば次の瞬間には上機嫌になっていたりと、信長のころころと機嫌が変わる様子は、「麒麟が来る」の信長像にも通ずる。 歴史記録の空白を、作家の想像...
歴史小説作家木下昌輝さんの新書。 『信長公記』の空白130日間に注目。信長のパーソナリティに注目している点が、非常に興味深い。激高したかと思えば次の瞬間には上機嫌になっていたりと、信長のころころと機嫌が変わる様子は、「麒麟が来る」の信長像にも通ずる。 歴史記録の空白を、作家の想像力が埋める。
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信長公記の記述を中心に、信長の行動記録を丹念に読み解きながら、信長の性格を分析。その年その年の行動、まわりの動きなどから、信長が最後に暗殺されるまでの原因をさぐっていく。 アマゾンで書かれている評価はあまりよくないけれど、私は信長の性格とか、当時のさまざまな決まり、周りの家臣団の...
信長公記の記述を中心に、信長の行動記録を丹念に読み解きながら、信長の性格を分析。その年その年の行動、まわりの動きなどから、信長が最後に暗殺されるまでの原因をさぐっていく。 アマゾンで書かれている評価はあまりよくないけれど、私は信長の性格とか、当時のさまざまな決まり、周りの家臣団のことなどがよくわかったので、とてもおもしろく最後まで読めました。 信長の最後、本能寺の変でどういう最後だったのか、その後の動きなどもよくわかったのがおもしろかった。ただ、本能寺の変への原因という部分では、本当にそういうことだったのだろうか・・・という、ちょっとした疑問は残ったけれど、でもそういう可能性もあるかもしれないとは思った。 これからの大河ドラマの展開が楽しみにもなった。
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小説家の木下昌輝が、信長に関する一級資料である太田牛一著『信長公記』を読み込み、信長の真実に迫った労作。 年代順に綴られた『信長公記』には、「空白」の期間が何箇所かあり、その謎を推理する。 さらに、粘着質な信長の気質を読み取り、その行動からは感情コントロールが出来ない信長というパ...
小説家の木下昌輝が、信長に関する一級資料である太田牛一著『信長公記』を読み込み、信長の真実に迫った労作。 年代順に綴られた『信長公記』には、「空白」の期間が何箇所かあり、その謎を推理する。 さらに、粘着質な信長の気質を読み取り、その行動からは感情コントロールが出来ない信長というパーソナリティーを導き出す。 後半生の記述からは鷹狩りばかりに執着する信長が浮かび上がる。 著者は、ユイス・フロイスの日本史の信長評にもふれる。 「自邸においてきわめて清潔」「自己のあらゆることを丹念に仕上げる」という評から、単なる奇麗好きを通り越した、病的な潔癖症を信長に見、双極性障害の躁状態の行動を指摘する。 そんな信長のパーソナリティーを論じた後、「最期の一年の章」に入る。 ここでは、本能寺の変○○月前、○○月前と、ひと月ごとに綴られ、ドラマチックに緊張が高まる。 本能寺の変にあたり、様々な小説やドラマなどで、光秀が「敵は本能寺にあり」と、中国と京都との分かれ道で檄を飛ばす描写があるが、著者は否定する。 本能寺の変に参加し生き残った某の文献から、光秀の配下たちは信長を討つとは、本能寺に着いてからさえ知らされていなかったとの結論を出す。 読み手にとっても意外な発見だった。 なお、最終章で「本能寺の変の首謀者は明智光秀ではない」との刺激的なタイトルがある。 この変のだいぶ前から、光秀は惟任光秀と名乗っており、当時の文献もみな惟任で記されているとのこと。 変の首謀者を明智光秀としてしまうと、彼を討ったのも羽柴秀吉ではなく木下藤吉郎だということと同じになるという。 昔は、成長に伴いあるいは出世に従い、苗字名前の変更は頻繁にあった故。
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信長公記やその他の資料の記述を元に、織田信長の人となりを推測する、織田信長の小説を書くための、小説家の資料ノートを見せてもらっているような新書となっている。タイトルの空白の130日に何か重大な秘密めいたことが起こっているわけではなかったのは拍子抜けだけど、信長の行動からその性格や...
信長公記やその他の資料の記述を元に、織田信長の人となりを推測する、織田信長の小説を書くための、小説家の資料ノートを見せてもらっているような新書となっている。タイトルの空白の130日に何か重大な秘密めいたことが起こっているわけではなかったのは拍子抜けだけど、信長の行動からその性格や心理を想像力豊かに推察しているのは、興味深くはある。
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「宇喜多の捨嫁」などの斬新な視点での歴史小説を書かれている木下さんらしく 信長公記やその他の書物も交えて、空白となっている天正8年とその前後の信長の行動に ついて、論理立てた推理がとても興味深いです。 見出しにもなっている「この空白で信長は変わった!」という表現どおり こ...
「宇喜多の捨嫁」などの斬新な視点での歴史小説を書かれている木下さんらしく 信長公記やその他の書物も交えて、空白となっている天正8年とその前後の信長の行動に ついて、論理立てた推理がとても興味深いです。 見出しにもなっている「この空白で信長は変わった!」という表現どおり このあとの信長が本能寺の変へ繋がる伏線ともいうべき空白。 読んでいるだけで想像が掻き立てられます。 それ以外でも、信長の性格や嗜好など、丁寧に掘り下げて考えられている作品。 歴史好き、戦国好きなら楽しくてたまらない1冊だと思います。
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本当は自分で「信長公記」を読めば一番いいんだろうが。そこまでの知力・体力はないので、この作品の登場である。「信長公記」の記載をベースに信長のパーソナリティを分析、空白の天正八年の後半4か月の記述の少なさと前後関係から、双極性障害の気がある信長の躁鬱の鬱期間だったのではと類推を進め...
本当は自分で「信長公記」を読めば一番いいんだろうが。そこまでの知力・体力はないので、この作品の登場である。「信長公記」の記載をベースに信長のパーソナリティを分析、空白の天正八年の後半4か月の記述の少なさと前後関係から、双極性障害の気がある信長の躁鬱の鬱期間だったのではと類推を進める。本書で特筆して面白かったのは、佐久間信盛との関係性とそれが信長の極端な信賞必罰に与えた影響を論じた箇所、それと信長のストーカーと言えるぐらいの記述を残した太田牛一にも論考を進めているところも見逃せない。(ファッションには興味はあっても食にはそれほどでもなかったというような)。信長の人生をある程度わかった上で読むととても興味深い一冊。
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※このレビューにはネタバレを含みます
小説家は,ここまで人物を掘り下げて考えているのかと,感銘を受けてしまった。 筆者が特に主張したかったのは,信長のパーソナリティに関することと,本能寺の変の首謀者は明智光秀なのか? の 2 点。筆者の主張と,それを支持する証拠を次々と挙げていくが,結局のところ,筆者の主張は仮説の域を脱することはできなかった。でも,これだけ証拠を集めたというギリギリのところを正直に書いているところに,この筆者らしさを感じた。 新書なので上記の書き方になったが,小説なら,仮説のすき間は想像力で補える。ここまで人物を掘り下げる筆者の小説が,またまた楽しみになった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
信長という人物を多方面から観る。 興味深く、楽しかったですね。 彼がメンタルの病ではなかったか、という推理小説を読んだ事がありますので、そういう意味でも興味深く、楽しめました。 戦国時代を生き延びるというのは、簡単な事ではなかったでしょうし、細川忠興やガラシャ夫婦のような血塗れな関係もありますからね。(忠興はガラシャに色目を使ったと家臣を36人斬殺。あと植木職人と目があったと職人を斬り殺し、その血をガラシャの着物で拭い、彼女は忠興が懇願するまで、その着物を着続けた(^◇^;)という) どこかに壊れてしまう所かあったのだと思うと、平和が、一番です。 そんな生き方をしなくてはならなかった信長も可哀想かも知れないですね。
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