水晶内制度 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
現代日本があまりにも男尊女卑社会であることを前提として、それと共犯関係を結びつつ成立した、極端な(作中の言葉でいえば「きったない」)フェミニズム国家(ウラミズモ)を構想する、という作家の意図は面白い。 とはいえ「ウラミズモ」のジェンダー・セクシュアリティに関する特異な規範意識がじゅうぶんに説明的に描かれているように思えず、またそれと対になっている「作中の現代日本」の規範意識も、「現実の日本」とはかなり異なるため(作中日本では二次元も含めてあらゆる児童ポルノが禁止されている)、最後に至るまで世界観がつかめなかった。作者がそのどちらについても批判的だ、ということだけはわかるのだけれども。
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