かきあげ家族 の商品レビュー

中島たい子(著者)

2024/04/25

スランプ中の老映画監督のもとに、次々出戻ってきた子供たち。子供たちの離婚や引きこもりなど様々な問題に向き合っていく。一番身近にいるようで何も分かっていなかった家族の形。家族の存在を噛みしめるような作品。いろんな映画のお話も出てきて楽しかった。家族のみんながとても良い。すごく良い。面白かった。

2023/08/12

中島さんならではの観点で書かれてて面白かった。
映画監督の話が割とテンポ良くてよかった。
何回か小さなどんでん返しがあったが、ストーリーはハラハラすることはないから、読み進めは遅かった。

2023/07/05

文句なしに面白かった！

新作映画をおろされた老齢の監督の家族の、
個性的な面々が集まったかき揚げのような味わい。
山田洋次監督でぜひ映像化してほしい。

懐かしい映画のフレーズがあちこちに散らばって、
映画好きにはたまらない。
「ピカデリー賞」「金の鷲賞」には笑える。
映画界の裏側もちょっぴりみられて、楽しめる。

2023/02/16

どこにでもいそうな家族の話は多々あれど、日本中どこ探してもいなさそうな強烈家族の爆笑ストーリー。

主人公はスランプ中の老映画監督・中井戸八郎。
元女優の百合子を妻に持ち家には引き籠りの次男が同居中。

そこへ仕事を辞めて戻って来た長男、離婚し孫を連れて出戻った長女と、その後の波乱を予感させる展開なのだが。

だが笑える。

ちょいちょい挟まれるサブイダジャレに、ボケとツッコミ、思わず噴出す事数回、ニヤニヤが止まらない。

『みんなちがって、みんないい』なんて言葉を頭に想い浮かべながら、このてんこ盛りのかきあげ家族を楽しんだ。

2023/01/18

表紙のかき揚げうどんがあまりにも美味しそうで、借りてしまい、読んでしまいました。「かき揚げ」とは、衣かぶってるけど中身はぐっちゃぐちゃということだそうで。八郎が、ぐっちゃぐちゃながらも、衣に隠れた家族ひとりひとりをしっかり味わっていたら、やっぱり映画を撮ることになったという話。
この本に出てきた映画で、見たことがあるのは「 E.T.」だけという疎さですが、楽しく読めました。

2022/06/06

ドタバタしたコメディ映画を数だけは撮影してきた中井戸八郎。しかし、彼の作風は古いからと最新作の監督を下ろされる。彼の家族にもそれぞれ色んな問題があるようで…。八郎が「世界のクロカーワ」こと巨匠黒沢監督の遺言で譲り受けた脚本がネットオークションに出品され…。

物語の展開は実にリズミカルで良い、まさに八郎が撮ってきたかのようなコメディムービータッチで、「そうそうこういう余韻の持たせ方とそれをぶっ壊すおちゃらけ挿入が日本有象無象映画っぽいよなぁ」としきりに感心した。

話中に次々と挿れられる映画うんちくも面白く（何故かそのほとんどを俺は観ていて）、あぁやっぱ俺は小説と映画好きやわぁと、しっかり思い直せた。

あとどんなジャンルにせよ、やっぱ量をこなすことは大事。質の向上に至るまでの量、そして諦め悪く継続することは、必要なんだと思う。精神論じゃなく、根性論でもなく、淡々と着々とこなしていくこと。八郎監督の最新作は、きっとその量と継続で積み上げた礎の上に建つ素晴らしい映画になりそうな予感がする。

2022/01/30

初読みの作家さんでしたが、すごく面白かったです。
主人公のコメディー映画監督の中井戸さんが、とにかく面白くて、最初から最後まで楽しい小説でした。
映画のうんちくも興味深かったし、それだけでも映画好きの方には読み応えありですね。中井戸監督と話したら、誰とでも漫才になるから大笑いできました。
文章で笑わすのって、多分泣かせるより難しいと思うし、中島たい子さんのセンス光ってました。他の作品も読みたくなりました。

2021/04/16

図書館で借りたもの。
スランプ中の老映画監督・中井戸八郎のもとに、長男が仕事を辞めて戻ってきた。さらに、離婚した長女が孫を連れて出戻った。家には引きこもりの次男がおり、図らずも一家集結することに。そんなおり、家宝の脚本がなくなり…。

例えに映画が出てくるから、映画通ならもっと面白く読めたんだろうな。

2020/12/17

おもしろ家族のドタバタだけど家族愛いっぱいの作品。むかし見た映画の話が随所にでてきて懐かしく思い出した。

2020/11/17

【腹減り度】
☆
【1番美味しそうだったもの】
かに

＊感想＊
面白かった〜！中島たい子さんのコメディ本当好き。
軽くてかわいい主人公（じじい）の絶妙なキャラクター がたまらんね。実在の映画の話もたくさん出てきて思わず観たくなる！家族をテーマにした作品ながら湿っぽいことは無くラストまで突き抜けてくれる笑える一冊。
映画化狙えるよ〜