パリジャンが教えるヒゲの教科書 の商品レビュー

ジャン・アルティニャン(著者),河合隼雄(訳者)

2024/03/26

自分は自他共に認める毛深いボーイだ。ここで書くことではないが、毛のない面積の方が少ないし、どこも濃いのである。この前泡盛の店に行ったら沖縄生まれの方々が集まっていて、四方から「うちなんちゅ？（沖縄の人？）」と声をかけられた。時には笑い話としてジャングルのようだと形容しウケをいただくこともある。3日ほどでしっかりした髭が生えるので気が向いたときにイメチェンができるのはメリットだ。しかし生理的に受け付けない人が多いだろう。だからせめて最低限デリケートな部分は医療の力を借りようと考えてはいる。そもそも剃毛・脱毛をする時点で時間的・金銭的コストがかかる。体毛の薄い方はこんな考えなくてもいいんだなあ、と親の遺伝を恨んだこともあった。ただ、顎髭を生やしたいのに全然生えないと悩んでいる友人も知っているので、隣の芝生は青く見える。

気づいたら髭というか毛の話になってしまった。

本書を読むと、髭の世界も奥が深い。シェービングの仕方や手入れの手段など、ここまで考えたことがなかった。これまで自分がしてきたことは「生やす」「伸ばす」であって、「整える」まで手が回っていなかったことに気づく。口髭にも種類があり、例えばチャーリー・チャップリンの髭は"アメリカン"、レミー・キルミスター（モーターヘッドのフロントマン）の髭は"バイカー"と呼ばれるようだ。髭のあるおじさん大好きです。

著者がフランス人でベルギーとフランスの理容室が紹介されている（日本もあるが独自選定）ように、どちらかというと西洋の方に向けられたものなので、日本人に参考になるかは分からない。

個人的には少し髭への意識が変わった。持って生まれたものを卑下することなく有効活用していきたい。お後がよろしいようで。

ちなみに未だ理容と美容の区別がはっきりついていない（髭を剃れるか剃れないかの違いくらいしか分からない）。

2023/01/30

・デザインや剃り方だけでなく、毛の役割や理容師の歴史も教えてくれる
・シンプルなイラストやオシャレな写真が判り易い
・髭剃りに限らず、何かを始めたい人にオススメ

2020/12/23

髭って、ほったらかしではかっこ良くならないし、お肌にも良くないそうです。
パリの理容師が手ほどきする、ヒゲのお手入れ、ヒゲ・カタログ、理容の歴史。

イケ・ヒゲの写真がクール！かっこいい！
ヒゲ・カタログはイラストなのでもっと写真をください！…と、思ったが、同じイラストモデルがヒゲの形で表情や雰囲気がまったく変化するので、なるほど～と。

女性が念入りにお化粧するのと同じくらい、イケ・ヒゲのお手入れは毎日の丁寧なルーティンワークが必要。
かつて、外科手術を宗教的に禁じられた医者の代わりに手術を行うようになった理容師たち。
時代がまた変わり、手術は出来なくなったが中世のカツラブームで暮らし、美容室に駆逐される勢いだった理容室がヒゲ・ブームでふたたびスポットがあたっている。（フランス）

漱石先生のヒゲ・スタイルは、｢La bross ｣ブラシだ。
気になる文豪とか俳優さんのヒゲ・スタイルを同定するのにもぴったし。
髭ダンはなんで髭生やしてないんだろう。ファンの人は知ってるんかな。

2020/11/29

　図書館の新刊コーナーで出くわし、思わず表紙借りしてしまった（借りてくれって、話しかけられたような気がした）。
　ヒゲの種類からカットや手入れなどについて淡々と語っている。雑音的な蘊蓄を排除した本著のつくりから、著者のこだわりが伝わってくる。
　それにしても54頁の女性の写真は翻訳版で挿入したのか、なぜ？

2020/10/01

男性のファッションとして復活、定着したヒゲの由来、スタイル、手入れについて詳しい解説書。フランスでも理容室（床屋）は衰退して、今世紀初め頃には数軒しかなかったのが髭ブームのおかげでまた増えつつあるとか。日本では女性の顔剃りのために床屋を利用するようになっているというのがしばらく前に話題になっていたけれど…