人間この未知なるもの 改訂新版 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
今日の科学が本来人間のためにあるはずなのに科学そのもの、経済などのために向かっていることにはものすごくハッとさせられた。今の技術による暮らしやすさははたして人間という生き物のためになっているのか、その害は今後様々な形で目に見えてくるかもしれない。
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1912年ノーベル生理学・医学賞を受賞したアレキシス・カレルによる、人間を総合的に理解しよう(これまで偶発的に行われてきた数値化、理論化される抽象的な科学と、複雑で難解なゆえに意識的に避けられてきた科学を用いて人間を理解しよう)という試みで書かれた著書。 自分で観察できるもの...
1912年ノーベル生理学・医学賞を受賞したアレキシス・カレルによる、人間を総合的に理解しよう(これまで偶発的に行われてきた数値化、理論化される抽象的な科学と、複雑で難解なゆえに意識的に避けられてきた科学を用いて人間を理解しよう)という試みで書かれた著書。 自分で観察できるものだけが本当に知っているものだという考えに基づき、それぞれの科学がどこまで分かり、どこまで分からないのかということを念頭に置いて(ウィトゲンシュタインっぽい!)理論を展開している。 大学の講義で神経内科の先生が医学者ならば一般教養として読むべきと言っていたので読んでみたが、何の経験も無い学生だからなのか、当たり前のことを言っているように感じた(医学を学ぶにあたって初めに学ぶのはどうしても、普遍的と思われる抽象概念である人間(個人ではない人間のイデア)に基づいたものになってしまうが、それに拘り、手段と目的を混同し、個人である患者について理解が遅れるということがないようにみたいなこととか) 包括的に学んでいる立場にいるから、あまり感じることはなかったのかなと思う。 本書にあまり関係ないが、世の中には具体的なことを分析して伝える人と具体的なことをできるだけそのまま具体的に伝える人の両方が必要だと感じた。
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人間を総合的に理解しようという試み。 これまで(第二次世界大戦前の段階)人間は、物理的、生理学的、精神的などさまざまな分野で「科学的に」分析、研究されてきており、とくに物理のように、定量的にとらえやすい分野の研究が進んできた。しかし、人間は研究され尽くされているわけではなく、分野...
人間を総合的に理解しようという試み。 これまで(第二次世界大戦前の段階)人間は、物理的、生理学的、精神的などさまざまな分野で「科学的に」分析、研究されてきており、とくに物理のように、定量的にとらえやすい分野の研究が進んできた。しかし、人間は研究され尽くされているわけではなく、分野は偏りがあり、人間を総合的に捉えることはされてきていなかった。さまざまな視点から分析し、提言を行う名著。 書かれた時期はモダンタイムス時代なのか、これに対する反動からの提言も多いように感じる。しかし、極端に専門化が進んだ科学のありかたを考え、総合的にとらえようという視点を与えてくれる点、非常な名著であると感じる。 そして、人間はいかに人知を超えた存在であるか。謙虚な姿勢を求める書でもある。
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【これから読みます】 まだ序文。 この本は初版1935年だが、筆者は『本書は古くなるにつれてますます時宜を得たものになるという逆説的運命を持っている』と述べている。だからこの時期にに改訂版が出たのか。楽しみ。
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