森瑤子の帽子 の商品レビュー
著者の島﨑さんが、森瑤子さんのご家族や生前森さんと親しかった方々に森さんにまつわるエピソードを聞かれて、私情の入っていない冷静な表現でまとめられているのが暴露本のようにはなっておらず好ましく思いました。 ご家族やご友人の目を通して、生前には伺い知れなかった森さんのいろんな面を知る...
著者の島﨑さんが、森瑤子さんのご家族や生前森さんと親しかった方々に森さんにまつわるエピソードを聞かれて、私情の入っていない冷静な表現でまとめられているのが暴露本のようにはなっておらず好ましく思いました。 ご家族やご友人の目を通して、生前には伺い知れなかった森さんのいろんな面を知ることが出来てとても興味深かったです。 20代の頃に森さんの作品をたくさん読んでファンだった私には、知りたくなかったことや胸の痛む話もありましたが、それも彼女の愛すべき一面だとも思えて読んでみて良かったと思いました。
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裏表紙の紹介文に「傑作ノンフィクション」とあり、まさにそのとおりだと思いました。森瑤子という作家の魅力を伝えつつ、美談だけでなく彼女の葛藤を綿密な取材をもとに綴っています。読みごたえありました。 私の娘の名前は瑶子で、4月に中学生になります。 名前を付ける時は音先行で、別に森瑤子さんからとったわけではありませんでしたが、やはり名付けた後はそれまで知らなかった森瑤子さんのことが気になって、育休中に「情事」を読みました。 その時は正直ピンとこなかったのですが、それは育休中だったせいかもしれません。私も森瑤子さんが「情事」でデビューした頃と同じ40代目前となり、葛藤の末に離婚した身です。今なら違う感想を持つのだろうと思います。 また、一人娘がJCになるにあたり、森瑤子さんの母子関係も興味深いものでした。私は自分の母に対する屈折した思いというのは多分なくて、ただ偉大な母だとリスペクトしています。でも、私の娘は、離婚して家から出て行った母親をどのように見るのでしょうか。 (家族で住んでいた家から徒歩5分のところに、私がマンションを借りて離婚しました) 私は娘と友だち親子になりたいわけでも、姉妹かと思ったと言われたいわけでもなんでもないけれど、森瑤子さんには3人もお嬢さんがいて、その中の一人とOliveの「ママに勝つ!」特集で共演して、そして没後に母との関係を本に書かれたというのは私にはまだ理解しがたい距離感です。理解しがたいけど、とても興味深いです。 ジローとか、興味深いわ。
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ジャーナリスト島崎今日子が森瑶子の周囲にいた人に会ってまとめた証言。 『情事』など彼女の作品を読んでみたくなります。 「森瑶子」は私の高校から大学時代にかけて通過したバブル期のアイコン。 毛皮、肩パッドの服、真っ赤な口紅。 書くために生きるのか、生きるために書くのか。一作品も読...
ジャーナリスト島崎今日子が森瑶子の周囲にいた人に会ってまとめた証言。 『情事』など彼女の作品を読んでみたくなります。 「森瑶子」は私の高校から大学時代にかけて通過したバブル期のアイコン。 毛皮、肩パッドの服、真っ赤な口紅。 書くために生きるのか、生きるために書くのか。一作品も読んでいないのにその人となりに惹きつけられた。森瑶子さん、相当な「人たらし」だったのでしょう。 「幻冬舎」の由来も知れた。意外や意外。しゃぼん玉のように皆が上へ外へ向かって行った、あのバブル期を回想できた。面白かった。
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