風は西から の商品レビュー
一人の誠実で情熱溢れる好青年の「過労死」。 それを防ぐことが出来なかった彼女が彼が種まきした人達と共に巨大な彼の勤務先と闘い勝利する物語。 その過程が丁寧に優しく描かれていたのが印象的で最後は彼の人柄を表すような爽やかな読後感が心地良い。 女性作家ならではの彼の残像表現も秀逸。
Posted by
大手居酒屋チェーンで働く健介は、激務と過度なパワハラで命を絶つことに。健介の両親と恋人の千秋は、真相を求めて戦いを挑む 理想論を語り自分に酔いしれる口が上手い人間は、どうも信用がてきないと思ってしまう。政治家然り、どこかの会社社長然り。 コツコツと弱音を吐かずに仕事する人は、何...
大手居酒屋チェーンで働く健介は、激務と過度なパワハラで命を絶つことに。健介の両親と恋人の千秋は、真相を求めて戦いを挑む 理想論を語り自分に酔いしれる口が上手い人間は、どうも信用がてきないと思ってしまう。政治家然り、どこかの会社社長然り。 コツコツと弱音を吐かずに仕事する人は、何倍も凄いと思うけど、怒りを持ったり、愚痴をこぼすことも大切だと思う。 会社という組織は決して慈善団体ではないことは分かっているけど、成長もなく人口が減少していくだけの日本で先の展望も見えない社会は決して健全なものではないと思いました。 山背の対応ぶりがあまりにお粗末すぎて、この会社の法務部や総務部はキチンと機能しているのかと、心配になってしまいました。
Posted by
内容は知らず、古本屋で手に取った本。 巨大企業に立ち向かう!というストーリーは痛快で読みやすくて、好みです。 フィクションですが、どのように取材をして、情報を集めて、書き上げていったのだろう…と、感心しました。
Posted by
図書館で借りて読みました。帯もカバーもないので、内容も分からないまま、村山由佳さんの作品なので、恋愛小説だと思って借りました。 ところが、読み始めてまもなく予想が外れたことに気づきました。いい意味で。お仕事小説です。いや、生き方小説です。 読みながら、東京で仕事をしている息子のこ...
図書館で借りて読みました。帯もカバーもないので、内容も分からないまま、村山由佳さんの作品なので、恋愛小説だと思って借りました。 ところが、読み始めてまもなく予想が外れたことに気づきました。いい意味で。お仕事小説です。いや、生き方小説です。 読みながら、東京で仕事をしている息子のことが心配になりました。LINEしてもなかなか既読にのらない、なっても返事はない。果たしてちゃんと仕事をしているのだろうか?元気でいるのだろうか?まさか…。 自分が社会的にしっかりて仕事をしていればしているほど、身内には厳しくなりがち。しかし、頑張っている人に対して、頑張ってねは禁句ですよね。読み進めるながらさまざま考えることができました。
Posted by
ワタミをモデルとしたブラック企業と、自殺に追い込まれた恋人の名誉を晴らすために闘う話。 段々と精神的・肉体的に追い込まれ、衝動的に死を選んでしまう状況が目に浮かぶような描写で、故人を悼む人々の悲しみがとにかく辛かった。 それをバネにして、悲しみをぶつけながら闘う姿に元気をもらった...
ワタミをモデルとしたブラック企業と、自殺に追い込まれた恋人の名誉を晴らすために闘う話。 段々と精神的・肉体的に追い込まれ、衝動的に死を選んでしまう状況が目に浮かぶような描写で、故人を悼む人々の悲しみがとにかく辛かった。 それをバネにして、悲しみをぶつけながら闘う姿に元気をもらった。
Posted by
星は実質3.5 題名の「風は西から」は奥田民生の曲名。 恋人は将来地元の居酒屋を継ぐため、外食チェーンに就職。就職試験の際、創業者のカリスマ性にあこがれを感じていた。 しかし、入った会社は超がつくほどのブラック企業で、恋人は自らの命を絶ってしまう。 なぜ、恋人は自死しなけ...
星は実質3.5 題名の「風は西から」は奥田民生の曲名。 恋人は将来地元の居酒屋を継ぐため、外食チェーンに就職。就職試験の際、創業者のカリスマ性にあこがれを感じていた。 しかし、入った会社は超がつくほどのブラック企業で、恋人は自らの命を絶ってしまう。 なぜ、恋人は自死しなければならなかったのか?会社は何をしてくれたのか?今後も自死を選択する人が出てくるのではないか? 突然、大切な人を失った人は残された家族とともに会社に真実を明らかにすべく、戦いを始める。 また、この会社が絵に描いたようなクソ会社。しかし、作中で描かれる会社の人間は実際に居そうでこれもまた怖い現実。
Posted by
大きな企業へ就職が決まった時の喜びと前途洋々とした希望、自分への大きな自信と、しばらく働いて生じてくる違和感と絶望感、自分への残念感を思い出した。受け入れられない嫌悪感、でも逃げ出すことができない。わかるのは、世の中の裏の顔と自分の甘さ、そして諦め方。前半が苦しすぎて、ラストの...
大きな企業へ就職が決まった時の喜びと前途洋々とした希望、自分への大きな自信と、しばらく働いて生じてくる違和感と絶望感、自分への残念感を思い出した。受け入れられない嫌悪感、でも逃げ出すことができない。わかるのは、世の中の裏の顔と自分の甘さ、そして諦め方。前半が苦しすぎて、ラストの晴れ晴れした気持ちになかなか追いつかない。つらいー。どうか千秋がこれから幸せになりますようにと祈る…。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
“闇” 実家の料理屋を継ぐために、東京の大学を出て、惚れたカリスマ社長のいる大手居酒屋チェーン『山背』に就職した健介。数年の営業経験後、店長の職に就く。しかし、店長という職の労働環境は最悪で、人件費を極端に抑えないと赤字、通称「テンプク」してしまい、そうなるとすぐさま本社に呼び出され、激しすぎる罵倒を浴びせられる。健介は最初の数か月をなんとか乗り切るも、ある日テンプクしてしまう。肉体・精神ともに、すでにギリギリな状態だったところに加えてのテンプク。彼女の千秋にも、いまいち内情を打ち明けられずにいる。そして翌週、二度目のテンプク。その直後、仕事を早退し、寮の屋上から飛び降り自殺する。 彼の労働状況に不安を抱きつつも踏み込めないでいた千秋は、彼の状態に気づけなかったことを悔いる。そして両親とともに、『山背』と戦うことを決める。しかし、山背はのらりくらり避け、姑息な手を使ってにげようとする。さあ、どんな結末が。仕事小説。 自分のいる環境の幸せさと それを守っている膜がシャボン玉より繊細で いつ壊れてもおかしくないことを感じた。 怖い。 初めは、愛する人のために頑張る物語だと思ってた。 けど全然違った。 健介の自殺までが半分も描かれていた。 ということは、自殺までの過程に伝えたい部分があるのではないか。 恋人が亡くした彼氏のために頑張るところではなく、 なぜ自殺してしまったのか、そこまでの過程の中に伝えたいことがある風に感じた。 実際、そこの過程は壮絶に感じた。 『死ぬくらいなら辞めればいい』 ほんとにそう思っていたし、そうできないことを疑ったいなかった。 でも、健介は違った。 というか、違う人もいると知った。 読了後、自殺というテーマについて考えた。 周りが気付いてあげられなかった、周りに助けを求めれば、 周りが違うアプローチをしていれば。。 違う。 最後は自分。 生死の線を踏み越えるのは周りじゃない、自分。 自分を強く持つ。 死なないためにじゃない。 強く、楽しく生きるために。 『箇条書きで健ちゃんのこと好きになったわけじゃないよ。』 ロマンチックな言葉だった。 1年半後が心配でしかない。。
Posted by
泣きました。 色んな感情を覚えました。 健介が命を絶つまでは健介目線と千秋目線でお話しで構成されていて、後半が山背との闘いのお話しだったのだけれど、健介目線のお話しがあったからこそ、後半歯痒くて泣けたんだと思います。 過労死、過労自殺がなくなりますように。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村山由佳だからと手にとった本。 恋愛小説かと思って読み始めてみれば、健介やばくない?大丈夫?と過労死するぞ、と思ってたら…。ああ、これはワタ○だよね?あまりちゃんと知ってはいなかったけどこういう事件あったよね、そこから創ったお話しなんだなとおもいました。仕事は面白いし、責任もあるからつい残業、休出をしてしまうけど、ちゃんと寝てちゃんと食べて、働きすぎないようにしようって心から思いました。
Posted by