柳生十兵衛死す(上) の商品レビュー
筆者最後の長編小説。主人公の死で開幕するという、のっけからあり得ない展開。一気に引きずり込まれました。時間の壁を越えて、2人の十兵衛が躍動する。相手は、後水尾法皇に紀州大納言、由井正雪に足利義満ときた。そこに世阿弥や後の一休禅師まで絡んでくる。 これ以上はネタバレになるので控えま...
筆者最後の長編小説。主人公の死で開幕するという、のっけからあり得ない展開。一気に引きずり込まれました。時間の壁を越えて、2人の十兵衛が躍動する。相手は、後水尾法皇に紀州大納言、由井正雪に足利義満ときた。そこに世阿弥や後の一休禅師まで絡んでくる。 これ以上はネタバレになるので控えますが、衝撃のラストに唸りました。史実にも明らかになっていない十兵衛の最期をこんな形で描き上げるのは、流石鬼才・風太郎‼︎
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風太郎の熱狂的ファンは多いが、本が出たときに購入しておかないと、いつの間にか入手困難な状態になってしまう。 明治もので風太郎の面白さに開眼したクチなのだが、そのときには作家人生後期の作品である室町篇は普通には手に入らなくなっていたので、今般の刊行は大変嬉しい。 柳生十...
風太郎の熱狂的ファンは多いが、本が出たときに購入しておかないと、いつの間にか入手困難な状態になってしまう。 明治もので風太郎の面白さに開眼したクチなのだが、そのときには作家人生後期の作品である室町篇は普通には手に入らなくなっていたので、今般の刊行は大変嬉しい。 柳生十兵衛を中心に、能を時空を往還する仕掛けとして、慶安の時代と義満の時代を跨いで繰り広げられる死闘にワクワクしてしまう。
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