念力レストラン の商品レビュー
短歌は独特の世界観が面白く鑑賞したが、エッセイはジェネレーションギャップがあり付いて行けなかったりした
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ベルガモットの、レビューを読んで読みたくなった。人気歌人笹公人の短歌、エッセイ、パロディ掌篇小説を収録している。 「フォーッフォッフォッ」という藤子不二雄Aの某有名キャラクターの笑い声のような念力レストランのシェフのあいさつで本書は始まる。この時点で心はわしづかみにされる。 ...
ベルガモットの、レビューを読んで読みたくなった。人気歌人笹公人の短歌、エッセイ、パロディ掌篇小説を収録している。 「フォーッフォッフォッ」という藤子不二雄Aの某有名キャラクターの笑い声のような念力レストランのシェフのあいさつで本書は始まる。この時点で心はわしづかみにされる。 「短歌は音楽だ」というエッセイで“歌詞の頭とサビは、なるべく母音のa(ア)音が含まれるア段(あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ)にしたほうがいい”と書かれていた。 また、齋藤茂吉の短歌を母音に分解して読んだ「母音分解読み」もとても興味深かった。 著者の短歌を少し紹介したい。 “もし君がキエーーと奇声あげながらヤシの実割ったとしても 好きだよ。” 「君」「キエーー」「奇声」と「き」の連続が韻律の心地よさを生み出している。 “こっそりと「ムー」読む君を見つめてるUFO・河童・ツチノコ・天使” 天使の意外性が際立っている。 “歴代のセンターの遺影に囲まれてきらめくAKB100周年ライブ” ライブ会場に入った瞬間、遺影に目が釘付けになりそうだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短歌、エッセイ、小説どれも抱腹絶倒を強要されるような笹ワールド 昭和な風景が浮かび時々オヤジギャグのような要素も混じる、あるある!と頷きたくなるような日常のような非日常な瞬間 コックリさんシリーズ(11首も!)は不気味な懐かしさが再現 バンドもなさってるらしく独特のリズムがあります 幅広い人脈で無敵な感じ、人生楽しんでいるのが溢れ出している アナグラムという文字の順番を並べ替えて別の意味の言葉にする遊びの解説は面白かった 韻律や母音の響きを考えると日本語の不思議さを感じる 笹公人を「人裂きミサ」「都井岬さ」とか変えてしまえるなんて凄い ヒット曲の歌詞の頭やサビの部分は「ア段」が多いらしい 母音分解読みをしてみようと思った 徳川家康から絶賛された戦国武将、可児才蔵の末裔らしい ドリンクバーのコーラは薄し 恋人が気になる男の話をしだす 子はムーミン母はセサミン好む冬 商店街に響くユーミン ヨックモック食べたい欲を鎮めつつ応接室に背筋伸ばせり 「ポイントカード貯めますか」「貯めます」ファイナルアンサーのごとく答えり コックリさんが帰ってくれない放課後のま・だ・あ・そ・ぼ・うと動く十円 関節でエレベーターのボタン押す所作が主流となるか日本
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毒っけ強め 「日本人を「コロナウイルス」と指さして警告うながす欧米紳士」 「武漢病毒研究所から洩れしという噂広まるゥイルスより早く」 「土曜日の実験室のフラスコに未来の愛がけむりていたり」
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バラエティ色強めでとっつきやすい それでいて文語調を保ってて伝統的なスタイルへのリスペクトも感じる
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「念力短歌」の笹公人宗匠は、ますます絶好調。この歌集でも濃厚であやしい短歌の数々を堪能できる。「東映のオープニングで波かぶるあの岩がある海へいきたい」「割り箸の袋に書いた復活の呪文がすべてだったあのころ」「聖子ちゃんカットの群れが両手上げ天にのぼってゆく原宿駅」「五月闇に「ムー」...
「念力短歌」の笹公人宗匠は、ますます絶好調。この歌集でも濃厚であやしい短歌の数々を堪能できる。「東映のオープニングで波かぶるあの岩がある海へいきたい」「割り箸の袋に書いた復活の呪文がすべてだったあのころ」「聖子ちゃんカットの群れが両手上げ天にのぼってゆく原宿駅」「五月闇に「ムー」を小脇に立ち尽くす。これでよかったのか俺の人生」「コックリさんが帰ってくれない放課後の窓に近づく自衛隊のヘリ」「歴代のセンターの遺影に囲まれてきらめくAKB100周年ライブ」「8ミリのカメラに手をふる一美(おれ)がいたモノクロームのあの夏の日の」
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