舎弟たちの世界史 の商品レビュー
イ・ギホらしい皮肉とユーモアが混じった文章でスルスル読んでたけど、最後が衝撃でしばらくボーッとしちゃった…好きすぎて何回も読み返してる。
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明らかにしんどい結末が待っているんだな、と分かる冒頭の書き出しと残りのページ数に読み進めるペースが遅くなったが、後半まで行くとちょっと思ってたのと違うぞ?(確かにしんどい描写は多かったが)となって読破できた。 なんで舎弟たちの「世界史」なんだろう。このノワール映画のような歴史は韓...
明らかにしんどい結末が待っているんだな、と分かる冒頭の書き出しと残りのページ数に読み進めるペースが遅くなったが、後半まで行くとちょっと思ってたのと違うぞ?(確かにしんどい描写は多かったが)となって読破できた。 なんで舎弟たちの「世界史」なんだろう。このノワール映画のような歴史は韓国に限った現象ではないからという解釈であってるのかな。
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ポップな文体なのに、内容のリアルさが重過ぎてずしんずしん来る。冤罪でっち上げ時期、日本にもあったけど韓国もあったんだと改めて。本当に政治の軽率さに腹が立つ。
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国家によって一人の人間の人生が理不尽に破壊されていくさまを軽妙なタッチで情けなく描いているのだけど、それは悲劇の矮小化ではなくて脱神話化なのだと思った。
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韓国ノワール映画は観たあとダメージを受けますが、活字でも同じでした。主人公は孤児院育ち、実父は当時のソ連に亡命し実子の存在を知らない、さらに文盲。真面目にタクシードライバーを続けてきたのに、そういった背景を悪用され、社会的政治的に制裁される個人に生き方が書き換えられしまう過程がじ...
韓国ノワール映画は観たあとダメージを受けますが、活字でも同じでした。主人公は孤児院育ち、実父は当時のソ連に亡命し実子の存在を知らない、さらに文盲。真面目にタクシードライバーを続けてきたのに、そういった背景を悪用され、社会的政治的に制裁される個人に生き方が書き換えられしまう過程がじわりじわり進み、辛くもありますが、滑稽な描写になってしまうところもあり、複雑な余韻が残りました。
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すさまじい傑作だ。歴史の正史には書き記されるはずもないが、歴史に翻弄されてしまったひとりの男。普遍的で正当な怒りが炸裂する情念の一瞬。エルロイを思わせるその瞬間にすべては… 傑作だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
イ・ギホ『舎弟たちの世界史』感想 http://mushoku.wp.xdomain.jp/cha-nam-deul-eui-se-gye-sa/ 兄貴=アメリカ、舎弟=韓国 茶房のレジオンニて、弁護人で事務所に来てた女性か☕ タクシー運転手に出てくる緑色のタクシーもポニータクシーだろうか 台庄洞の鶴橋(ハクタリ) 安企部の様子、「企画」「創作」発表の様子が恐ろしくもユーモラス FMラジオと拷問、反復学習 『22年目の記憶』他韓国映画を観ているおかげでイメージがしやすい 黄色いロータリークラブ創立総会記念タオル やたら具体的、『生姜』のモナミのポールペンみたいな… ~聞いてくれたまえがだんだんその節の内容に沿ったものになっていく 本当にボンマンの父なのか、実在したのか創作なのか曖昧なナ・ソングク
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1980年、チョン・ドゥファン大統領率いる韓国では、親アメリカ政策のもと、多くの罪なき市民が共産主義者として逮捕されていた。役人たちにとっては逮捕者の人数こそが出世の道だった。 その犠牲者の一人、ナ・ボンマンが本作の主人公。彼は孤児で満足な教育を受けられなかったが、苦労してタク...
1980年、チョン・ドゥファン大統領率いる韓国では、親アメリカ政策のもと、多くの罪なき市民が共産主義者として逮捕されていた。役人たちにとっては逮捕者の人数こそが出世の道だった。 その犠牲者の一人、ナ・ボンマンが本作の主人公。彼は孤児で満足な教育を受けられなかったが、苦労してタクシー運転手として就職し、恋人や友人もできた。ささやかな幸せにたどり着いたはずだった。が、不幸な偶然と彼の知識の無さで、彼は逮捕され、拷問にかけられる。 3部からなる長編小説だが、ナ・ボンマンが周囲の人々に次々と巻き込まれるドタバタ劇のような第1部から、第2部は一転。ナ・ボンマンへの虐待と当時の韓国社会描写がほとんどを占め、まるで別作品のようになる。作者もその点はあとがきで触れているが、第1部の喜劇ミステリー要素がなくなってしまったのは残念だ。ちなみに最後の第3部で第1部の冒頭の伏線を回収。 不条理な韓国軍事政権時代に憤りを感じるが、作者はそんな読者を落ち着かせるように「まあ、聞いてくれたまえ」とユーモアを交えて説得する。生き残ったナ・ボンマンの老年の姿に安堵し、当時の不幸な時代を冷静に振り返り、韓国の将来を考えようという狙いなのか。
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