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ケアのロジック の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2022/11/27

"選択は患者のためになるのか" 医療従事者として、疑問に思っていたことだったが、なかなか言語化ができなかった。 これを読んだことで視界が晴れ、ケアに対する軸がしっかり認識できた気がする。 選択は、時にネグレクトを引き起こしてしまう。 延命措置の選択に迫られ、...

"選択は患者のためになるのか" 医療従事者として、疑問に思っていたことだったが、なかなか言語化ができなかった。 これを読んだことで視界が晴れ、ケアに対する軸がしっかり認識できた気がする。 選択は、時にネグレクトを引き起こしてしまう。 延命措置の選択に迫られ、言葉を失う患者を何人もみてきた。そこで、事実のみを提示し決めるなんて、難しすぎるし、そうすることで罪悪感も芽生えてしまう。 死は必ずやってくる。その事実だけを受け止めるのではなく、その価値に目を向け、一緒に実験し、手直しし、注意を向け続けることが必要だとわかった。 癌や延命措置といったことは、どうしても決めなければいけない場面が出てくるけど、そこでどう関わっていくかの根拠を後押ししてくれるようなロジックだった。 にしてもこれはかなりの重労働だなあと思う。ケアする側は良心の名のもとに多大な労働を要求される。その疲弊がまたケアレスな専門家に繋がるような気もした。 ケアする側を、どうケアするのかも考えないといけないと感じた。 あと、ひとつ疑問に思うことがあった。 ここでのロジックは、実践から浮かび上がってくる何らかのまとまりやスタイルを指していると書かれていたが、それなら、"モデル"のほうがイメージしやすいのではないのかな?と。 あえてロジックという言葉を使った意図として、秩序化のプロセスに関心があるわけではなく、実践の論理的根拠を追いたいからだと書いていた。 それでも、"モデル"という言葉がそのイメージを壊すことはない気がした。

Posted byブクログ

2022/01/08

現代の医療に蔓延る”選択のロジック” インフォームドコンセントはその典型例で、そこには患者の自己責任が生じる 一方この本は、より寄り添う「ケアのロジック」を論じている。この2つは決して二項対立的な存在ではないのでややスッキリしない思いは拭えなかった。 市民を対象とした医療広告...

現代の医療に蔓延る”選択のロジック” インフォームドコンセントはその典型例で、そこには患者の自己責任が生じる 一方この本は、より寄り添う「ケアのロジック」を論じている。この2つは決して二項対立的な存在ではないのでややスッキリしない思いは拭えなかった。 市民を対象とした医療広告の欺瞞を論じた第二章「消費者か患者か」が面白かった 製薬会社のテレビCMはモヤモヤした印象を受けてきたけど、この章を読んでスッキリした。 市場の言語にはポジティブな言葉だけが含まれるため、何かに困って支援を求める人々への医療とは本来相容れないはずなのだ

Posted byブクログ