秘文字 の商品レビュー
まず、読了で登録させていただきましたが、日本語で使われている文字の部分に関しては、読ませていただきました。それでも、自分では暗号を解く事はできず、眺めて終わったというところです。ということを申告しておきます。 中井英夫さんの作品を何を読もうかと探しているうちに、本書を奇書中の奇書...
まず、読了で登録させていただきましたが、日本語で使われている文字の部分に関しては、読ませていただきました。それでも、自分では暗号を解く事はできず、眺めて終わったというところです。ということを申告しておきます。 中井英夫さんの作品を何を読もうかと探しているうちに、本書を奇書中の奇書と称賛されている方を見つけました。深く考えずに、図書館予約。私は「秘文字」という小説を読めると思っていました。 手元に来たのは、未だISBNのバーコードがない1983年発行のもの。登録は、再販の普及版と言われているものらしいです。図書館中央調査という申し訳ないようなところからの配本でした。図書館司書の皆様におかれましては、御足労おかけしました。「読めるわけないじゃん。」などとランチの話題提供ぐらいにはなりましたでしょうか。 三人のミステリー作家 泡坂妻夫「かげろう飛車」 中井英夫「薔薇への遺言」 日影丈吉「こわいはずだよ狐が通る」 この三遍の暗号小説を 本文全て暗号化しています。それを読み解いた先に再び暗号が待つという、暗号フェチにはご馳走本なのであります。 もちろん、本書には解読方法と解答編としての日本語の解答も準備されています。高校の超難問数IIBとかの参考書のように解答の方法に多くのページが割かれているあの参考書のような構成です。 中井英夫の「暗号と暗合」というエッセイ的な文章もあります。戦時中、市ヶ谷参謀本部に在籍して、航空通信部で日夜暗号電報の作製と解読、乱数表の管理などという仕事をされていたそうです。しかも、それらを単純作業で楽しくなかったとおっしゃる。難しすぎてノイローゼ患者が続出した敵側の暗号解読をやりたかったと残念がっていました。うん。プロの方ですね。 暗号に美意識さえ持っていらして、二重底暗号とか色や音にも意味を持たせるとかが好みらしい。 全く暗号を読む事ができないか?といえば、当初から一般書籍として発売されているわけで。時間と労力を傾ければ、決して解けないものではないと思いますが返却期限もございますのでの。 このような奇書があることを知り、実際手に取ることができ、図書館ありがとうって思います。 ミステリ強者の皆様にお勧め致したく。 私は、スパイ小説が読みたい、読みたーいと言っていたのは本心ですが、スパイ的活動をしたいのでは、なかったようです。 泡坂妻夫さんの短編は、私でも理解できて、徳川時代の将棋の表記法に基づいた暗号から浮かんできた文字に感動しました。 登録者はいても誰もレビューしていない中、無謀にもレビューしておきました。
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