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評伝J・G・フレイザー(上) の商品レビュー

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2020/07/26

 法蔵館文庫創刊以来、刊行本をここまで全部購入してきたことから、本書に目を留めたことが一つ、フレイザー『金枝篇』初版は読んだものの、一時代前の人類学者との評価に災いされ、あまり深くは知らない学者であったので、その研究人生の一端に触れたいと思ったことがもう一つ。これらの理由から、文...

 法蔵館文庫創刊以来、刊行本をここまで全部購入してきたことから、本書に目を留めたことが一つ、フレイザー『金枝篇』初版は読んだものの、一時代前の人類学者との評価に災いされ、あまり深くは知らない学者であったので、その研究人生の一端に触れたいと思ったことがもう一つ。これらの理由から、文庫本2冊、850頁以上の評伝に取り掛かった。  フレイザーはひたすら読み、ひたすら書く人であり、フィールドワークもしない書斎の人であった。特に波乱万丈の出来事があった訳でもなかった。著者は序章に述べるとおり、成人してからのフレイザーの人生に起こった出来事といえば出版に尽きるので、重要と思える出版をフレイザーの思想と絡ませながら、同時に、その出版事情を描いている。また、未公刊の書簡を多数紹介しつつ、その人生を辿っていく。   上巻では、フレイザーの研究者としての出発時期までの時代を取り上げるが、人類学草創期の方法論の問題、論点の対立、宗教や進化論との関係について、良く分からない箇所が多くて、難しさを感じた。

Posted byブクログ