満員電車と君 の商品レビュー

小指(著者)

2020/10/15

▼あらすじ
29年間、地味に真面目に生きてきたサラリーマンの真山。
ある日、いつものように満員電車で通勤していたら、知らない女子高生が無理やり自分の胸を触らせてきた!?
痴漢で訴えられる恐怖に怯えながら一日を過ごし、緊張しながら乗った翌日の通勤電車。またもや見知らぬ青年に突然声をかけられ狼狽していたら、なんとその青年こそが昨日の女子高生だったと発覚!!
どうやら彼は電車の中でしか興奮できず、あの日女装していたのも痴漢されやすくするためだったというのだ。密かに撮影していたという痴漢の証拠写真をたてに、翌日から痴漢プレイを要求されてしまう!!
「気持ちよくしてくれるなら誰でもいい」
そんな危うい劣情を持て余しているつかさが放っておけなくて、いけないとわかっていてもつい手を差し伸べてしまい…!?

＊＊＊

ストーリーの完全度：普通
トーン：---
エロ度：低い
萌え度：普通〜やや高い
総合評価：★4.0

初読みの作家さん。表紙が何やら薄暗い雰囲気なので中身もそんな感じなのかと思いきや、絵柄が暗いだけで全然そんな事はなかったです。

一応、痴漢ものですがそんなにがっつり痴漢プレイをしている訳ではないので、人によっては少々がっかりするかもしれません。
因みに私はそれほど痴漢ものが好きな訳ではないので全然問題なかったです。どちらかというと痴漢云々よりも本番シーンがカットされている事の方が残念でしたね。そこが一番見たかったのに〜！と思いました(^^;)

個人的に良いな、と思ったのが真山の地味さ加減。何だか妙にリアルなんですよ。こういう人、絶対いるよね…って感じで。ちょっと親近感を抱いてしまうというか(笑)
特に、“誰かの興味を引くことも引かれることもない。そう思いつつ自分だけに伸ばされる手を探している”という真山の言葉は胸にグサッと刺さりました。真山の矛盾した気持ちや孤独感が分かってしまう自分がつらいです…(T▽T)

そんな冴えないリーマンに目をつけたのがつかさなんですが、彼は電車の中でしか興奮(勃起)できないという問題を抱えています。最初は「何じゃそら(笑)」と思いましたが、その原因となった過去のエピソードを読むと納得出来ます。
女装もてっきり真山を嵌める目的の為だけにやってたのかと思いきやそうじゃない事が分かり、意外にもバックボーンがしっかりしていたのが印象的でした。
ただ、つかさが抱える問題は割とあっさり解決してしまったので、そこは少し残念に思いました。そこだけでももう少し丁寧に描いて欲しかったですね。

でもまぁ、全体的に見れば普通に良かったです。ストーリーもそこそこ上手くまとまっていると思いますし、取り立てて派手な事は起こらないけど、読みやすいなと思える作品でした。
因みに、この作品で一番萌えたのが最後、女装したつかさが「俺、真山さん困らせるの好きみたい」と発言するシーンです。つかさの子供っぽい笑顔に不覚にもキュンとしてしまいました…(笑)

2023/09/10

こわぁ痴漢とか社会的抹殺もいいとこ…よく耐えたなお人好しな攻めよ…
受けは前カレ？の変態塾講師のせいで電車痴漢プレイでしか興奮しないように(と思い込んでる？)。だんだん交流を深めるうちに普通の恋人同士みたいにセックスできるようになったのは感慨深い。ていうか電車でのプレイは勿論なんだが、会話してる内容も聴かれて大丈夫なのか？…あ、そんなにエロくないですよ。