父 Mon Pere の商品レビュー
パリの情景が目に浮かんだ。ルーツが違う人と心を通わすこと、親子の愛情、恋人や家族との関係性が素敵な作品だった。
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充路の気持ちの描写が繊細でとても心地よい。 自分にとって大きな問題が幾つも降りかかってきたときも、感情を爆発させるのではなく、その問題ひとつひとつと向き合おうとする。今すぐ解決するのではなく、今最善なのはどうすべきか時間を掛けて丁寧にゆっくりと答えを出そうとする。大切な人のために...
充路の気持ちの描写が繊細でとても心地よい。 自分にとって大きな問題が幾つも降りかかってきたときも、感情を爆発させるのではなく、その問題ひとつひとつと向き合おうとする。今すぐ解決するのではなく、今最善なのはどうすべきか時間を掛けて丁寧にゆっくりと答えを出そうとする。大切な人のために。 父がぼくに教えてくれた、目には見えないけど人生において大切なことの数々が随所で語られ、胸に沁みる言葉が沢山あった。 お互いを大切に思い合い、試行錯誤しながら生きていく。 この物語が続いていくとして、でもこの先この家族には何があっても乗り越えられる気がした。 フランスの、美しい街並みも想像しながら、辻さんだからこそ表現できる、穏やかで素敵な一冊でした。
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219ページ、消して多くはない頁にぎゅっと詰まっていた。二世であること、人種、家族、トラウマ… 重いテーマであるのにどこか希望が見えていて読みやすい。 クリプトビオシスやwater bearが気になって調べた。全く知らない分野だったが、それを自分の過去や未来に当てはめて考える主...
219ページ、消して多くはない頁にぎゅっと詰まっていた。二世であること、人種、家族、トラウマ… 重いテーマであるのにどこか希望が見えていて読みやすい。 クリプトビオシスやwater bearが気になって調べた。全く知らない分野だったが、それを自分の過去や未来に当てはめて考える主人公を愛おしく思った。 辻仁成さんの本を久しぶりに読んだ。 『冷静と情熱のあいだ』を読んで以来だと思う。今はどんな本を書かれているのだろう?と思い、手に取った本。素敵だった。
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最高に好きなトーンと内容でした。 ミステリーな部分や、人種、恋愛、親子愛など折り混ざって、こころもほっこりする内容でした。
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読みやすかった。日本人の父母の間を持ちフランスで生まれ育った主人公。幼少期のトラウマともいえる経験を胸に仕舞い込んで、健気に生き、人の気持ちをよく考える優しい人。親の老いや限界を感じる世代なら、主人公の気持ちや行動について理解しやすいと思う。自分も、2〜3年前に読んでいたら、この...
読みやすかった。日本人の父母の間を持ちフランスで生まれ育った主人公。幼少期のトラウマともいえる経験を胸に仕舞い込んで、健気に生き、人の気持ちをよく考える優しい人。親の老いや限界を感じる世代なら、主人公の気持ちや行動について理解しやすいと思う。自分も、2〜3年前に読んでいたら、この作品の良さは分からなかったかも。
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15年ぶりの辻仁成。 今の私にはわからんなぁ。いつかまた理解できるかな。 どっちかっていうと暗い気持ちになり、年始に読み終わるべき本では無かった。
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どこからどこまでが実体験に基づいた内容だろうかとつい想像してしまう。 私自身も息子を持つ身として、これまでのこと、これからのことに想いをめぐらせた。 人生は何が起こるかわからないし、人と人との関係は常に変化していくものだ。 どんな状況でも恋に落ちる時は落ちるし、あらがえないものだ...
どこからどこまでが実体験に基づいた内容だろうかとつい想像してしまう。 私自身も息子を持つ身として、これまでのこと、これからのことに想いをめぐらせた。 人生は何が起こるかわからないし、人と人との関係は常に変化していくものだ。 どんな状況でも恋に落ちる時は落ちるし、あらがえないものだと思う。 離婚を切り出した中山美穂に突きつけられた条件は、親権を手放すことだったという。 実際に手放したことで彼女は世間からバッシングされた。 私は彼女のファンではないし、どっちかというとブログを楽しみにしているほど辻さんのファンだが、彼女に同情した。 自分の一部を失うのと、自分を殺したまま生きていくのとどちらを選べるというのだろう。 夫婦のことは夫婦にしかわからない、けど。 …と、まあ、小説から脱線していろいろ考えてしまったが、多少なりとも背景を知ってるとそうなっちゃう。小説としてはおもしろかったです。 小説の主人公「ぼく」はちよっと頼りないところもあり、しっかりしているところもあり、優しい。 これは、本当の息子さんへの実際のイメージと、少しの期待が入っているのかな。 それから、最新のブログによると息子くんの成長の著しいこと。実生活のほうはどんどんアップデートされている模様。小説のなかではもっと先の未来の設定なんだけど、すでに今のほうが進んでいる印象です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
充路はパリで生まれ育ったが、両親は日本人。子供の頃に母を亡くし、父と二人で生きてきた。その父に健忘症の症状が見え始める。 一方、婚約者のリリーは、母が交通事故死したときに同乗していた男性の娘。彼女に引っ張られる形で、母の死に関して、当時の状況を知ることになる。 その複雑な関係性と、リリーの母が中国出身で、日本にあまりよい印象を持っていないことから、彼女に二人の結婚を許してもらうことが難しいと感じる二人。しかし、彼らの心配をよそに、充路の父とリリーの母は、筆談を通じて理解しあい、よい関係を築いていく。 充路とリリーも一度は距離をおいたように見えつつも、互いを想う気持ちを大切にしている。 運命とか、家族の形、愛などについて考えさせられるストーリー。
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