来世の記憶 の商品レビュー
余韻の残る読後感。 特に好きだったのは、 『時間ある?』はラストにゾッとしたし、 『スパゲティ禍』の茹で上がりのホカホカ感とすぐ冷めて「もうこれ以上冷たくなることはないと思っても、まだまだ冷たくな」るのが、スパゲティあるあるだなと思ったけど、それが元〇〇だった物だと思うとえも言わ...
余韻の残る読後感。 特に好きだったのは、 『時間ある?』はラストにゾッとしたし、 『スパゲティ禍』の茹で上がりのホカホカ感とすぐ冷めて「もうこれ以上冷たくなることはないと思っても、まだまだ冷たくな」るのが、スパゲティあるあるだなと思ったけど、それが元〇〇だった物だと思うとえも言われぬ気持ち悪さを感じたし、 『鈴木さんの映画』はわたしもニコラス・ケイジのホログラムがほしかったし、 『鍵』のシスターフッドにアツくなったし、 『いつかたったひとつの最高のかばんで』は、彼女たちがうらやましかった。
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良作ぞろいの短編集。少女の残酷さと若さへの追憶、執着が、程よい怖さとエンタメの素になっている。「フラン」、「切手占い殺人事件」、「時間ある?」(一番ゾッとした)が印象的。ベストSF2021に収録された「いつかたったひとつの最高のかばんで」も収録されている。
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20の短編。 ・前世はおっさんだったあたし。 ・友達と部屋で遊んだまま眠りこけて世界が戦争になったと・しても眠り続ける私。 ・自分自身を腐らせないために、毎晩冷蔵庫に入って眠る私。 ・ピアノがいつの間にか凶暴化し、ピアノが上手だった子がいつしかピアノ化していくまで。 ・私が19歳だった頃、大阪に当時の彼氏と行った思い出。 ・切手に取り憑かれたクラスの女子たちの狂気。 ・大好きで軽蔑す友人と電話のやりとりと彼女に贈ったサンスベリア。 ・人々がスパゲッティを嫌い、人自身もスパゲッティになっていく中、毎日それを食べて生き続けるぼく。 ・美術館に入ったまま戻ってこない彼女と彼女が探し求めていた喉仏を持つ彼。 ・ニコラス・ケイジ風の医療用AIに話しかける事務員。 ・ネグリジェで外出するおばあちゃんの若い頃の記憶。 ・怪獣を虐待する住民たちが見る夢。 ・花柄の服を嫌う少女と合唱の発表会。 ・夜に出歩く赤い服のおばあちゃんを怖がる夫と私。 ・出産した後の病院の外で起きていることを確かめるまで。 全部じゃないけど。独特の、藤野香織さんらしい世界。 夜に外を歩いているおばあちゃんの見方をする私、鍵、が印象的で面白い。
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私の好みとは違った。 自分の感性と噛み合わず気味悪さと異質な感じが際立ってしまい、途中で読むのを止めようかと思った。
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「前世の記憶」★★★ 「眠りの館」★★★ 「れいぞうこ」★★★ 「ピアノ・トランスフォーマー」★★★ 「フラン」★★★ 「切手占い殺人事件」★★★★ 「キャラ」★★★ 「時間ある?」★★★ 「スパゲティ禍」★★★ 「世界」★★ 「ニュー・クリノリン・ジェネレーション」★★★ 「鈴木さんの映画」★★★ 「眠るまで」★★★ 「ネグリジェと世界美術大全集」★★★ 「スマートフォンたちはまだ」★★ 「怪獣を虐待する」★★★ 「植物装」★★★ 「鍵」★★★ 「誕生」★★★★ 「いつかたったひとつの最高のかばんで」★★★★
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タイトルに惹かれて借りた初読みの作家さん。長短20編が収録されているが、意外なことに同じタイトルの作品はなかった(「前世の記憶」というタイトルの作品はあった)。うーん、なんというか……。純文学系の作家が書いたSF的な作品が多い印象だった。異常が当たり前の日常に焦点を当てて展開する...
タイトルに惹かれて借りた初読みの作家さん。長短20編が収録されているが、意外なことに同じタイトルの作品はなかった(「前世の記憶」というタイトルの作品はあった)。うーん、なんというか……。純文学系の作家が書いたSF的な作品が多い印象だった。異常が当たり前の日常に焦点を当てて展開するが、どこにも行き着かない。好き嫌いが別れると思うが、どちらかというとぼくは苦手なタイプだった。
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既視感のある現代的な場面の中に近未来的な展開があったり、普通のどこにでもある日常のようでいながら異世界が捻りこんでくるような、とっても不思議な読み応えのある20の短編小説。一見普通なのにどこかに狂気を秘めていることって実際にありますよね。それをこんなふうに物語に出来るなんて凄い。現代アートを小説にしたみたいな楽しさがありました。でもグロかったりもします。スパゲティ、パスタが好きな人も『スパゲティ禍』を読んだあとはなんかウエッとなるかもしれません。AIのニコラス・ケイジが健康相談員の『鈴木さんの映画』がユーモラスで面白かった。「ニコラス・ケイジ起動」「ニコラス・ケイジ終了」私もやってみたいです。
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安定の藤野可織さんワールド。短編集ですが、一発目から眩暈がするような不気味さと衝撃、それがページを捲り終わるまで続くのでした。 この本の読了後に村田沙耶香さんの「地球星人」を読み、さらに頭が破壊されそうに。一冊他の本を噛んでおいてよかった・・・。
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よくもまぁ、こんな不思議な物語を20個も…!と、しかも全部面白い。奇妙で少し気味が悪くて、ちょっとドキドキする。藤野さん好きだなー。次は長編読みたいなー
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