消費税増税と社会保障改革 の商品レビュー
著者は、消費税反対、そしてもちろん、消費税増税反対の立場。 基本的には税制についてかなり紙面を割いている本ではあるのですが、日本語が今一つ親切ではなく、わかる人にしかわからないような書き方が多い印象を受けました。 また、誤植もちょいちょいあり、しかも、意味が反対になったり、意味...
著者は、消費税反対、そしてもちろん、消費税増税反対の立場。 基本的には税制についてかなり紙面を割いている本ではあるのですが、日本語が今一つ親切ではなく、わかる人にしかわからないような書き方が多い印象を受けました。 また、誤植もちょいちょいあり、しかも、意味が反対になったり、意味が通らなくなる誤植があり、この本そのものの信頼性に関わる誤植が目立った気がします。 冒頭で述べたように、著者は消費税(の増税も含め)反対の立場ではあるのですが、消費税云々よりも、日本の社会保障制度の至らなさへの関心の方が高いようで、消費税に関する記述は、社会保障制度の至らなさを説明するための前振りに思えました。 それにしても、現在の日本の社会保障(主に年金、健康保険、介護保険)は危ういですね。 大きなビジョンがないまま、小手先の改訂を繰り返してきた印象です。 戦後最初に社会保障制度を考えた際には、日本の福祉をどうするか、という大きな絵を描き、それに合うよう、制度が考えられたように思うのですが、当時と今では、社会情勢がまったく異なることもあり、当時の絵をもとにした小手先の改訂だけでは、社会保障制度を持続するのはかなり怪しいように思います。 社会保障制度について、時代に合った大きな絵を描ける政治家や、その絵を適切な施策に落とし込める官僚の出現が、今こそ必要だという想いを強くした一冊でした。
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