経営に生かす易経 の商品レビュー
すべてが陽の卦からできている「乾為天」の龍の成長の物語と、全てが陰の卦からできている「坤為地」の牝馬の物語を通じて陰陽の関係を説き、「十二消長卦」を通じて陰陽が胎動しながら時々刻々変化していく有様が簡潔かつ具体的に説明されていておもしろい。 『易経』を人生哲学、ビジネスの視点か...
すべてが陽の卦からできている「乾為天」の龍の成長の物語と、全てが陰の卦からできている「坤為地」の牝馬の物語を通じて陰陽の関係を説き、「十二消長卦」を通じて陰陽が胎動しながら時々刻々変化していく有様が簡潔かつ具体的に説明されていておもしろい。 『易経』を人生哲学、ビジネスの視点から説いた一冊。易経に初めて触れる人でもわかりやすく読める入門書になっている。 さて、著者のいうように『易経』を占いの本としてだけでなく、生きていくための智慧の本として読むのは確かにおもしろそうなので、私も少しずつ読み始めることにする。
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「経営に生かす」とありますが、特に経営に限定したものではなく、易経の考え方を分かりやすく書いた著書と思います。 易経は英語では「The Book of Changes」で、「変化の書」と呼べるのでしょうか。著者の本はほとんど読んでいるのですが、「竹村さん独特の」と書いたのは...
「経営に生かす」とありますが、特に経営に限定したものではなく、易経の考え方を分かりやすく書いた著書と思います。 易経は英語では「The Book of Changes」で、「変化の書」と呼べるのでしょうか。著者の本はほとんど読んでいるのですが、「竹村さん独特の」と書いたのは、易経の「乾為天」という卦で、龍の成長過程についての記述から始まるためです(竹村さんご自身もここに感銘を受けたとあります)。 龍もいきなり高く飛び立つのではなく、「潜龍」となって田に潜みながら志を確立し、師から基礎を学んで「見龍」となり、それを実践しつつも常に反省を怠らない「終日乾乾」の時を経て、「躍龍」として天に昇ろうとし、遂には雲を呼び寄せ恵みの雨を降らせて人々を養う「飛龍」になるというものです。しかし、飛龍も驕り高ぶると雲を従えることができず「亢龍」というくだり龍となって「潜龍」に戻る、という「時の変化」を綴っています。 時は変化するので、時流ではなく、その時にあった対応(これを「時中」と書かれています)をすることが大切で、冬に種を蒔いても無駄であり、尺取虫も伸びるためにはまず縮む時期が必要など、易経の考え方を分かりやすく記述しています。 昨年1年は、個人的に色々とあったのですが、冬の時期は大地を養い、春の種まきに備えることが肝要でジタバタしないというこの著者の言葉には励まされたものです。 陰と陽の捉え方もさまざまに書かれており、「時」について考えるのにはお薦めしたい一冊です。
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