伊東豊雄 美しい建築に人は集まる の商品レビュー
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モノをつくるとき、技術や伝統や型にはめることより、自分の感情や五感を大事にしないといけない、と言われているような気がした。 コロナ禍中の2020年6月に出版された本。 伊東さんは、東日本大震災や熊本地震、社会のいろいろな問題を自身の目で見て分析して、それを建築という分野で何とか解決しようと考えているところがすごいなと思った。 しかも単にラディカルに解決をめざすのではなく、美しさを追求したいという。 そうでなければ社会の変化に応じて建築も捨てられてしまう時代だということかな? 自分も、目の前の課題に追われて本当に大事なことを見失わないようにしたいと思った。
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伊東豊雄氏の著書の中では比較的読みやすく優しい語り口である。 東京では旧TODSなどの商業建築が多く、ほとんど氏の公共建築を実際に訪れたことはないが(せんだいメディアテークは過去に一度だけ訪問)、理屈抜きに皆が美しい建築をつくりたいという最期の言葉が印象的だった
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【いちぶん】 いくら外出自粛をするように言われても、昼間のカフェは満席である。身の危険を賭しても人は家に籠っていられない。人はやはり人に会わないと安心出来ない。建築は人の集まる場所をつくる仕事なのだと改めて思わずにいられない。 (p.98)
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いまだに自身の過去の作品に対して疑問を抱き、常に変化し続けようという意識に驚かされる。 伊東豊雄の言う美しさ 五感に訴えかけるような空間を考えていきたい
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モダニズムはヨーロッパのもの 台中国家歌劇院 完成までに11年 洞窟的空間 チューブの連続体 日本の身体性 スタッフにアイデアを出させて、そこから選びとって、 さらにみんなで練って設計を進める 建築を作ることは世の中を批判することだと思ってた 50歳で初めて公共建築 八代市立博物館 未来の森ミュージアム 1991年 仙台メディアテーク チューブの柱は樹木 つくることそのものがコミュニケーション PFI 設計、建設、維持管理運営まで民間まる投げ 新国立競技場 2回目もザハの案で請け負った大成建設に決まっていた 他の施設は大きな組織の設計事務所に頼む 楽にいうことを聞いてくれるが本質の見えない建築に 大三島 今治市伊藤豊雄建築ミュージアム 2011年 スティールハットと元自宅のシルバーハット作り直し 内なる自然 建築の美へのこだわり
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建築は人と人、人とモノなどとの距離を調整することができる。つまり、集まり方をデザインできる。一方、現代のまちは閉じた建築に埋め尽くされ、集まれる場所は限定されており、排他的なまちになっていると感じられる。著者も懸念している経済第一主義である。儲かることを優先させるために敷地は細分化され(外部空間の減少)、住宅からは人と関わりを生む庇や縁側のような空間が減らされ(半外部空間の減少)、まちからはお金なくして人の居場所がほとんどない(公共空間の減少)という有様。 経済第一主義に代わる建築のあり方とは…。 著者は建築の世界で50年以上も試行錯誤を繰り返し可能性を見つけた。一つは自然と人との現代的な関わり方。そしてもう一つは美しいものに人は集まるということ。美に可能性がある。 まだまだ著者には建築の新しい可能性を見せてほしい。
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