異聞風土記 1975-2017 の商品レビュー
著者のお名前、読み方は、ゆん・うんで氏、ライター、インタビュアーとのこと。 表紙が素敵すぎ、タイトルにも惹かれ拝読。 親と祖父母世代が大変な、本当に大変なご苦労をされた在日の方で、その当時の暮らしぶりら京都での特殊なコミュニティとの関わり、お婆さまの特異な生き様が壮絶で読んでい...
著者のお名前、読み方は、ゆん・うんで氏、ライター、インタビュアーとのこと。 表紙が素敵すぎ、タイトルにも惹かれ拝読。 親と祖父母世代が大変な、本当に大変なご苦労をされた在日の方で、その当時の暮らしぶりら京都での特殊なコミュニティとの関わり、お婆さまの特異な生き様が壮絶で読んでいる方もショックであり、淡々としかしその当事者としてのどうしようもないありようが描かれている。 そのほかの時代(筆者のご年齢、そのときどき)の、土地の描写もとても丁寧で内在的洞察に富み、一読の価値あり。繰り返し読めば毎回違う気づきがあるだろう。 風景の変貌、喪失。記憶の源泉がたたれるものがこれほどつらいとは。という気持ちを吐露される神戸、震災1995年。インドを旅してトラブルフルな旅で、自分のアイデンティティを求めなくなった。インドの空の下でどうでも良くなる。何者であるかは、私が考え決めることではない、自分が何者か、そんなことはあれこれ考える自分の外側にあることだと悟る。 続きあり
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矢萩多聞さんらしい装丁が目に留まり思わず手に取った。なので特に答えや意味を求めずに始めた読書、それ自体が個人的に久しぶりで、各地で巡らされる著者の思考にじっくりと耳を傾けている感覚が終始あった。文体が好き。 3.11後も日常を止めることのない東京から離れるところでは、世情を思い浮かべる。 前に前にという生き方だけでなく、地を這う根のように成長していく術を自分なりに身に付けていきたい。
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