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人形たちの白昼夢 の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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2024/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好きな作家さんの短編集。短編集は物語の世界に入りにくくて元々あまり得意ではないんだけど、人形がテーマになっているものが多くて気になって読んだ。 個人的に印象に残ったのは、時計職人が戦争で大切な人を亡くし、それから人型の時計(だけど人を殺す)を作るという『ロゼット』、幼い頃に本を通じて仲良くなった男女がすれ違いその思い出で今を生きる『モンデンキント』かなぁ。 他にも記憶を食べる『スヴニール』とか世界観が気になる『ビースト』も良かった。 いろいろな世界、時代で描かれている作品で、どれかは響く作品があるのは短編集の良いところ。逆に、読みにくい作品があるのも事実。面白いんだけど、どういうことだったんだろう…?という作品もあった。

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2024/06/20

幻想的な 少し怖くて 少し切ない 短い物語 短いからこその重み ひとつ ひとつ ゆっくり読んだ ちょっと小川洋子さんを 思い出しつつ。。。 きっと 読む度に 違った感想を 持つんだろうなぁ この本 ファンタジーが好きな人なら 好みだと思う。 久しぶりに 私も 冒険ファ...

幻想的な 少し怖くて 少し切ない 短い物語 短いからこその重み ひとつ ひとつ ゆっくり読んだ ちょっと小川洋子さんを 思い出しつつ。。。 きっと 読む度に 違った感想を 持つんだろうなぁ この本 ファンタジーが好きな人なら 好みだと思う。 久しぶりに 私も 冒険ファンタジーを 読みたくなった 青いリボンを栞に付けて 懐かしい本を手にしよう

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2024/04/27

静かな雰囲気の短編集。 欲深い砂漠の民がヌカラとマムウが住む雪山を壊す「ビースト」が特に印象的だった。

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2024/04/20

【2024年92冊目】 嘘のつけない腹話術師、赤を纏った最下層の気高き女、記憶を食べる私、理の中で生きる少女、破滅を愛する男の子など、ここではないどこかを描いた12の物語。そっと寄り添うような青いリボンが宝石のような世界にあなたを導くことでしょう。 千早茜さんが紡ぐ美しい物語と...

【2024年92冊目】 嘘のつけない腹話術師、赤を纏った最下層の気高き女、記憶を食べる私、理の中で生きる少女、破滅を愛する男の子など、ここではないどこかを描いた12の物語。そっと寄り添うような青いリボンが宝石のような世界にあなたを導くことでしょう。 千早茜さんが紡ぐ美しい物語と言葉の数々を余すことなく味わいたいならこの本では、と思うほどの満足度でした。異なる世界で描かれる12の物語は、ページをめくる度にため息の出るような美しさや儚さをもたらしてくれました。 大好きな作家さんなので贔屓めで見てしまうところはあると思うのですが、やはり一文一文が本当に煌めいていて、これぞ千早茜ワールドと唸りました。 挿絵がまたおどろおどろしかったり、残酷な美しさがあったりして、良かったです。

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2024/02/08

 美しさを究極にまで言語化すると、この小説みたいな感じになるんだろうなと思う。美しさと絶望は、少し似ている。  また作中には、美しいものを愛する者たちが多く登場する。「美しさを愛する」と言えば聞こえは良いけれど、それは、そうではない世界が受け入れられない潔癖さをも意味する。決して...

 美しさを究極にまで言語化すると、この小説みたいな感じになるんだろうなと思う。美しさと絶望は、少し似ている。  また作中には、美しいものを愛する者たちが多く登場する。「美しさを愛する」と言えば聞こえは良いけれど、それは、そうではない世界が受け入れられない潔癖さをも意味する。決して生き物として強いとはいえない。生きづらいだろうな、と思う。  けれど、確固とした世界観や美意識を持つ者は、図太さはなくとも、したたかだ。したたかで、どうしようもなく魅力的だ。    

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2023/12/10

千早茜さんがインタビューで言っていた。 エッセイでは本当の自分を全て書けない 小説の方が(もちろん、全て本当の自分ばかりではないけど)本音の部分を描き入れる事ができる、と言うようなお話しでした。 千早茜さんの作り出す、透明感のある世界は 幻想的であり 清々しい。 深い心の奥底...

千早茜さんがインタビューで言っていた。 エッセイでは本当の自分を全て書けない 小説の方が(もちろん、全て本当の自分ばかりではないけど)本音の部分を描き入れる事ができる、と言うようなお話しでした。 千早茜さんの作り出す、透明感のある世界は 幻想的であり 清々しい。 深い心の奥底の方に溜まっているものの中からひとつずつ取り出して、一編にしてみたような短編集でした。 一冊200ページ超くらい本に、12編の短編 たとえば「スヴニール」と言う20ページ位の一編 出だしの2行で、季節感、時間帯、天気、温度感、 すべてを美しく表現してしまう。 すごいなぁ!

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2023/11/05

美しい短編集。得も言われぬ世界観の短い話たち。 記憶の奥底に大切にしていた美しい情景が、それぞれの世界を形作っている。 安部公房や村田沙耶香、小山田浩子、多和田葉子など、ディストピア小説は、特に海外で高い評価を得ることが多いが、この作家も今後注目されるんじゃないか。

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2023/10/30

美しいものはなぜ哀しいのか 全ての話が美しく刹那的でほんのりと哀しい顔を持っていた。 静かで優しい夜のようなお話。寝る前に優しい灯りの中で読むのがぴったり

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2023/09/25

全ての編が全く異なるお話で楽しめた どの短編もとても壮大な物語の中のたった一部分のような気がしてこの短編の超長編作品を読みたい 千早さんはなぜこんな想像もつかない世界を言葉に表せるのだろう 中でもお気に入りは『ビースト』というもののけ姫を凝縮したようなお話 何度でも読み返したい

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2023/09/24

どうしてこの本を手に取ったのかはもう思い出せないのですが(この本が先だったのか、透明な夜の香りが先だったのか)私が「物視点萌え」を拗らせた原因になった本です。 1話数ページの短編集。こことは違う世界かもしれない、不思議で美しく独特な輪郭の短編集。 好きなのは「スヴニール」「ビ...

どうしてこの本を手に取ったのかはもう思い出せないのですが(この本が先だったのか、透明な夜の香りが先だったのか)私が「物視点萌え」を拗らせた原因になった本です。 1話数ページの短編集。こことは違う世界かもしれない、不思議で美しく独特な輪郭の短編集。 好きなのは「スヴニール」「ビースト」「ワンフォーミー・ワンフォーユー」、中でも一番刺さったのは「ワンフォーミー・ワンフォーユー」。 冒頭に書いたように、この話は物視点、ティーポットが持ち主の少女と出会ってからのお話です。愛する日常、過ぎていく時間の先にある別れ。恋でもしているような(実際に持ち主を愛しているのでしょうが)ティーポットの焦がれるような祈りが胸に刺さります。きっとこういう感情を萌えというのでしょう。

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