賢者たちの街 の商品レビュー
図書館で気になって手に取った。街の生活を舞台にした小説が好きなのかも。 上品でスマートなジェントルマン、ティンカー。その彼女の粋な感じが好きだった。 そんなところを吸収したくて読んでたのかも。
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先に読んだモスクワの伯爵も良かったが、こちらは兎に角オシャレで、洗練された主人公の女性の生き方が、何ともカッコ良かった。久しぶりに良い本を読んで凄く満足した。
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2022.5 いかにもアメリカ ニューヨークの小説といった感じ。アメリカ人はこういう小説が好きなんだろうけれど日本人の私にはその良さがよくわかんない…
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「モスクワの伯爵」同様、最初は少し読みづらかったが途中からめちゃくちゃ面白くなった!!恋愛、友情、野心、郷愁…。
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世界恐慌や第二次世界大戦といった歴史的出来事の影響を受けた1930年代のニューヨークが舞台。 現代とはかけ離れた世界の中で(煌びやかであり貧しくもある)、人々がどんな考えをもち、暮らしを営んでいたのか垣間見ることができて、面白かった。 育った環境や性格の違う登場人物たちが下す、人生の選択。イヴの性格に憧れ、ティンカーの人生に共感した。
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前に読んだ『モスクワの伯爵』と同じ作者。『賢者たちの街』の方がデビュー作だけど、自分はデビュー作の方が好きかも。 装丁といい、主人公が上流社会にお邪魔するところが『グレート・ギャツビー』ぽいと思ったけど、それみたく作中モヤモヤすることはほぼなかった気がする。 ヒロインは周りの玉の輿を狙うDreamy Girlsとは一線を画した自立系女子。『モスクワの伯爵』の伯爵同様、どんな相手の言葉も知的にかわし、スマッシュもばっちり決める。上流社会を垣間見る時も(驚いただろうけどそれを顔にも文章にも出さず)読書家の彼女らしい豊かな表現で、冷然と観察している。 友達に一人は欲しいタイプ。自立系女子は今でも男性に人気っぽいから作中の男性陣(ボンボンたち)が追いかけたくなるのも納得できる。 手をそこまで伸ばさなくともイヴみたくチャンスを簡単に勝ち取れたであろうに、傍から見ると回くどくも見えるやり方で彼女なりの幸せを見出そうとする。 実際に開催された写真展にフィクションの人物を置いて始まりの舞台にしたのにも面白みを感じたけど、何か伏線があるのかな?と余計なことを考えていた。 度重なる出会いと別れで人生の機微を味わった自立系女子が冒頭の‘66年ではどのような成熟を見せているのか。結末に直結する類の伏線は(恐らく)なかったけど、彼女の生き方と写真展での反応が全てを物語っていたのかなと今になって思う。
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恋愛小説であり、移民二世で労働者階級出身の聡明なヒロインがマンハッタンでいかにのし上がっていくかを描くサクセスストーリーでもあり、何より、魅力たっぷりな登場人物たちとの出会いや別れを描いたこの本は爽やかな青春小説だと思う。 きらびやかで華やかで底抜けに明るいニューヨークとそこに生...
恋愛小説であり、移民二世で労働者階級出身の聡明なヒロインがマンハッタンでいかにのし上がっていくかを描くサクセスストーリーでもあり、何より、魅力たっぷりな登場人物たちとの出会いや別れを描いたこの本は爽やかな青春小説だと思う。 きらびやかで華やかで底抜けに明るいニューヨークとそこに生きる人々を描きながら、破滅を予感させるようなストーリー進行は「華麗なるギャツビー」を彷彿とさせる。 個人的にはとっても映像化してほしい作品。見たいシーンがたくさんある。 大晦日にティンカーが子供と一緒に雪合戦に興じるところ、ケイトがウォレスに銃の扱いを教えてもらうところ、普段は冷静沈着なケイトが取り乱しカフェでティンカーに吐き捨てるように責めるところ、ディッキーの紙飛行機への情熱と精緻さ、ハンクとの会話、屋根へ腰掛けたケイトとティンカーのやり取り…等等。 知るはずもない1930年代のアメリカの、目に浮かぶような情景がこれでもかと散りばめられ、起承転結がはっきりとした、切なく爽やかで最後まで美しい作品です。
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1930年代後半のニューヨーク。 若いケイトとイヴは、銀行家ティンカーと偶然出会う。仕事と恋と華やかな上流社会との交流。 抑えられない恋心と自尊心の間で、それぞれが自分に正直に生きていこうとしたのかな。
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1966年、NYの近代美術館(MoMA)で開催された古い隠し撮りの写真展(実際にあったものらしい)で懐かしい人物が写っているところからスタートする。始まりからお洒落。 主人公ケイト・コンテントは大恐慌(1929年)のとき16歳となっているから、1913年生まれということになる。 ...
1966年、NYの近代美術館(MoMA)で開催された古い隠し撮りの写真展(実際にあったものらしい)で懐かしい人物が写っているところからスタートする。始まりからお洒落。 主人公ケイト・コンテントは大恐慌(1929年)のとき16歳となっているから、1913年生まれということになる。 1937年から39年の間に、才能に恵まれて野心に満ちたロシア移民の二十代女性がハイ・ソサエティーに入り込んで、さまざまな人達と交流していくさまを描いたもの。 先に読んだ「モスクワの伯爵」の作家の第一作らしい。 二つの作品ともに、普通の人間は垣間見ることない、優雅な上流階級を描いていて、まるで映画の世界の中に引き込まれる。 とにかく「お洒落」という言葉しか浮かばない描写が多いが、多様な人物が登場して飽きさせない面白さが同居している。 この第一作では、作者のペダンティックな面が強調されていて、多数の小説等が引用または登場していて、巻末(476~8頁)に明示されている。(訳者注は施されていないが、第4章「もっとも残酷な月」は訳文から推察するに、T.S.エリオットの「荒地」(The Waste Land)の冒頭部分を意識したものではなかろうか) 原題は「礼儀作法のルール」(Rules of Civility)、この本で重要な役割を果たしているジョージ・ワシントンの簡素な著作で、巻末に訳文が掲載されているのに、翻訳書では「賢者たちの街」としたのは、編集者の仕業だろうか。
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ケイティにとって、ニューヨークでの、1937年の大晦日からの1年間は特別でかけがえのないものであった。 読書を愛するケイティが、イヴ、ティンカー、ハンク、ウォレス、アン等(個人的にディッキーとビッツィも挙げておきたい)、印象に残る個性的な友人たちと織り成す想い出は、当時の時代性...
ケイティにとって、ニューヨークでの、1937年の大晦日からの1年間は特別でかけがえのないものであった。 読書を愛するケイティが、イヴ、ティンカー、ハンク、ウォレス、アン等(個人的にディッキーとビッツィも挙げておきたい)、印象に残る個性的な友人たちと織り成す想い出は、当時の時代性や文化の壮麗な描写とのバランスも相まって、上品なチャーミングさと冷静なクレバーさが(あと、奔放さも)混在した素晴らしさの中に、シリアスさもきっちり含まれており、なぜ、特別な一年なのかが、読んでいく内に明らかになるストーリー展開も素晴らしいです。 私みたいに、当時のニューヨークの文化をあまり知らなくても、親切な解説に、その説明や、この作品の主旨が書かれているので、読書中に分かりづらいところがあっても気にせず、最後まで読むことをお勧めします。興味深い文化の濃さも良いのですが、それを抜きにしても、友情や愛情、先の読めない人生の意外性は、私達にも共感出来る万国共通のものだと思いますので。 解説にあった、イヴが主役の中篇も読みたい。日本語で読める時が来ますように。
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