デンマークの女性が輝いているわけ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
主にデンマークの女性(デンマーク在住の日本人も含めて)の働き方やライフスタイルについて書いてあるが、そこからデンマークの社会・しくみ・文化・共通意識などにも触れられているので、女性だけではなく男性が読んでも学ぶことが多い本。 パワーワード 「家庭がうまく行っていれば、それは必ず仕事にも還元される」 ・ディスカッションが大好きな国民で、人が集うとディスカッションが始まり、数名で任意団体を結成する。3人よれば任意団体ができる ・デンマークの女性からすれば、日本の生産年齢にある女性たちが、平日の昼間からカフェやレストランで女子会とやらに時間を費やしている姿は、妙に違和感を覚える。 ・日本とデンマークのパートタイムの決定的な違いは、有給休暇や出産休暇などの労働条件はフルタイムと全く変わらない。 ・デンマーク社会で生きていくためには、資格を持つことが重要。若者を対象とする教育の最終目的は、若者が社会が必要としている様々な職業について自分を活かせるように、それぞれの職業に必要な知識や技術を身につけるための資格教育にある。 ・資金面などで、社会、納税者が若者の教育を支援しているのだから、「なんとなく学校に通って進学して学生時代をエンジョイすれば良い」という安易な気持ちで学生生活を過ごしてもらっては税金の無駄遣いになる。これが資格を重視する社会のベースにある。 ・休暇は働く人にとって権利であり義務 ・良い仕事をする、効率よく仕事をするためには人間も充電期間が絶対に必要。それをしない人は長い目で見たら伸びないし、させない職場は優秀な人材が集まらない。 こどもは塾や受験を経験しない。 ・単に給料をもらうために働くのではなく、なぜこの仕事をしているのか、自分の仕事が社会に役立っているか、常に自分自身に問いかけて、意味のある仕事がしたい。それを見いだせなくなってきたら、新たな仕事を探す時期が来たということかもしれない。 ・再婚同士家族は「ボーナス家族」と呼ばれている。産まずに子沢山になることが、ボーナスをもらったように得したという表現。 ・日本ではひとりひとりの成長や状態が違っていても同じことをするのが平等ですが、デンマークでは、それぞれの違いを認めてここにあったものを提供するのが平等。 ・教育の最終目的は、社会に貢献する人材育成 ・社会福祉、教育、労働市場宿社内のどの分野にも、デモクラシーが根付いていて、機能している。多くの人たちが決定に参加する機会を持ち、責任感をいだき、社会に影響力を持つことができる。 ・デンマークも多くの問題を背負っているけれど、それは現在日本が直面している問題とは別次元のもので、それを持って両国の比較議論はできない。今起きている社会現象だけ観察していても、社会の有り様は見えてこない。社会の問題を、ここに至るまでの過程でどのように捉え、どのように解決しようと努力してきたかが重要。人々の意識と制度は両輪のようなもので、そのどちらがかけても問題は解決しない。 日本とデンマークの違い ・社会を皆で築こうとするボドムアップ社会と、お上の決めたことを実行するトップダウン社会 ・様々な試みや努力が別のテント融合して線になり、更にこれが交差して面を作る社会と、素晴らしい点は限りなくあるにも関わらず、それらの点が先で結ばれて面になることが難しい社会。
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