1,800円以上の注文で送料無料

紡ぐ乙女と大正の月(1) の商品レビュー

0

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/09/09

タイムスリップ物で百合。ここでいう姉妹の関係というのは女学校においては実際にあったということなので、絵空事ではなく。大正10年といえば、爛熟した大正浪漫の時代に黒い影が伸びてくる時期。少なくとも1巻は7月までの話だが、この年はこの直後に原敬が暗殺され、大正天皇がいよいよ病篤くなり...

タイムスリップ物で百合。ここでいう姉妹の関係というのは女学校においては実際にあったということなので、絵空事ではなく。大正10年といえば、爛熟した大正浪漫の時代に黒い影が伸びてくる時期。少なくとも1巻は7月までの話だが、この年はこの直後に原敬が暗殺され、大正天皇がいよいよ病篤くなり後の昭和天皇による摂政政治が始まる年。そして、作中にあと2年半は自由に過ごしたいという唯月の言葉があるが、大正12年9月1日には関東大震災と時代は混迷を極め、昭和に入ると華族の多くは困窮の時代に入る。そういう時代のお話。 太正時代でもなく、大正初期ではなく、大正10年に設定してきたのはおそらくこのまま話が進めば震災により唯月は学校どころではなくなってしまうはず。一方、匂わせな話としては味噌汁の味とカレーの話。穿ち過ぎなのか、わかり易い伏線なのかわからないが、唯月も紡も桜川女学校の生徒で、年齢差が97。唯月は紡の高祖母なのではないかと。まあ、普通考えますよね。昔の人は結婚が早いので、もう一世代上かも知れませんが。とにかく、先般完結した行進子犬とか、こういう時代のこういう話は大好きです。なんか完結したような1巻の終わりですが。

Posted byブクログ