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勤勉な国の悲しい生産性 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2022/04/05
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働く目的の一位はお金がダントツ。 働き方改革の目的は、人口減少、長時間労働、労働生産性の3つを同時に解決しようとしたもの。 ルクセンブルグは、42%が隣国から通勤してくる。生産性の計算で、分母には含まれないから高くなる。 副業や兼業の許可は、給料が高くならないことの言い訳。 日本のサービス産業は、生産性の低い小売卸売、宿泊、飲食が多い。アメリカは生産性の高い金融、不動産の割合が高い。 ドイツでは、国民を労働者と捉えるから労働者の権利を重んじる。日本は国民を消費者と捉えるから消費者の権利に重点を置く。安いことで差別化する戦略はこの傾向に後押しされた。ヤマトの値上げは消費者からは理解されたが、企業からは理解されなかった。 GDPの成長は国民全体が恩恵を受けない。所得N中央値を使ったほうが実態がわかる(スティングリッツ) GDPは、1930年代に国民所得をグズネッツが計算したことが始まり。デジタル化で、無料の写真はGDPに算入されない。デジタル化で、生産性が高まってGDPは減る、という矛盾。グズネッツもGDPはwelleingとは等しくないと認めている。環境悪化でマスクが売れればGDPは増大する。 生産性は主観的なもの。成長の終焉はあるか。GDPの算出が現代を表していなければ生産性の数値も意味はない。何が生産性を挙げて何が下げているかは主観的。 労働組合の春闘は賃上げの小出しでしかない。士気が上がる額ではない。

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2021/01/01

2021/01/01 ルディー和子☆☆☆勤勉な国の悲しい生産性 コロナを契機に働き方改革→「人間尊重」を今こそ ファシズムよりルネサンス! 1.うんざりする「生産性向上」  日本企業はIT投資ではなく、非正規雇用拡大で乗り切る路線 物価も賃金も凍結し、ひたすら現状維持に邁進してき...

2021/01/01 ルディー和子☆☆☆勤勉な国の悲しい生産性 コロナを契機に働き方改革→「人間尊重」を今こそ ファシズムよりルネサンス! 1.うんざりする「生産性向上」  日本企業はIT投資ではなく、非正規雇用拡大で乗り切る路線 物価も賃金も凍結し、ひたすら現状維持に邁進してきた 2.時短ではなく、時間からの解放を  資本主義の歴史は「時計」による時間労働管理の歴史 真に人間の求めるモノは「時間からの解放」 →時短ではなく、時間からの解放を   「在宅は労働の非同期化」場所・時間 ⇒「自己決定」が幸福をもたらす 在宅 性善説 3.調和と不公平感 常に考える 未来工業 日本一社員が幸せ 公平な人事 星野リゾート 360度評価 エリートの選抜 2:6:2の法則

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2020/08/26

二度読んで味が出てきた! 逆に言うと一度読みだと読み飛ばしてしまったり、どういった主張なんだろうと考えさせられたりした。なるほど、そういう意味では考えさせたりする本なのかしら、いやたぶん自分の理解力が低いだけなんだと思う。 私はニッポン人だ。日本が勤勉な国、だというのも、勤勉だ...

二度読んで味が出てきた! 逆に言うと一度読みだと読み飛ばしてしまったり、どういった主張なんだろうと考えさせられたりした。なるほど、そういう意味では考えさせたりする本なのかしら、いやたぶん自分の理解力が低いだけなんだと思う。 私はニッポン人だ。日本が勤勉な国、だというのも、勤勉だが生産性の低い国だ、ということも知っている。 自分なりに生産性を高めようと、日々の会社仕事においては一分一秒も無駄にしたくないのでストップウォッチで計測して日々改善を高めているほどである。  自分なりの生産性は常に高めようと懸命な努力を図っているつもりだ。個人的な話をすると子どもが成長するまでの期間では家事育児に割く時間がどうしても長かったこともあり、いかに短い時間でアウトプットを出していくかを考えていかないと、やってらんなかったというのが正直である。だからこそ、この本には引かれた。ダラダラ生活残業しているような人々が許せなくて。 そんな中、『生産性=GDP÷就業者数』から導かれる、という定義式からはじまって、そもそも生産性をGDPから検討していくっておかしくない?とか、GDPの数字と国民が感じる暮らしとのギャップが年々大きくなっている、等々の論旨展開から「『生産性』は主観的なもの」「経済学で生産性を考えるのはもうやめる」といった著者の危機感と疑問のプロセスである第一章を二度読みするだけでも本当に面白い。ナルホドナルホド! という感じ。  後半は日本の目指す方向性などを記載しているが、それはもう仮説なんだからわかんなくてあたりまえだよね。 1章での問題意識を、いろんな観点から切り崩していこうとされていく本、興味深かったです。 今回の抜粋としては下記 ======= P42 いずれにしても、何が生産性を高め、何が生産性を下げているのかは、主観的なものだ。たとえば、会社経営をしていれば、従業員のモチベーションがたかまれば生産性が高まることは実感できるだろう。だが、経済学では、感情や心理といった数値化できないものを無視する傾向が高い。生産性を経済学の観点だけから考えていると、組織経営では失敗することもある。 P45  高度成長時代につくられた終身雇用や年功序列制度を、低成長や労働人口の減少が続く時代に維持することができないことは、バブル崩壊後にはわかっていたはずだ。成長戦略に基づいて組織の構造改革をし、従業員に新しい環境に見合った再教育をし、生産性を上げるためにICT・IoT関連の設備投資をする。そういった準備に10年かけて取り組む余裕はあったはずだ。だが、日本企業の多くはそれをせず、労働者をより多く働かすことで乗り切ろうとした。  そして労働者の代表であるべき労働組合も、形骸化の一途をたどったようにみえる。それに乗じて…と書いたら言い過ぎかもしれないが、経営者は構造改革を迅速に進めることができない理由に、労働組合の存在をあげる節があるようにみえる。「ウチは労働組合があるので、改革は簡単には進められない」と、自分が決断できなくて先延ばししていることを、組合のせいにして正当化しているのではないかと疑いたくなるときがある。 P261  働く人たち誰もが、こういった達成感を感じる経験、あるいは誰かから称賛されたり、感謝されたりする経験を味わってほしいと思う。そういった経験が一度でもあれば、働くことが楽しくなる。つらいことがあっても、また、続けていこうという気持ちになれる。  ラグビーのように、個性ある選手たちがワンチームとなり、互いに支えあって強敵に挑む。そこから得た感動に対し、感謝の気持ちをこめて観客は拍手を送る。あるいは、野球選手のイチローのように、孤独に一人で努力し闘うアスリートでも、多くの観客が称賛したからこそ、「後悔などあろうはずがありません」という言葉が最後に口をついて出る。  自宅、町工場や商店、中小企業に大企業、働く場所にはいろいろある。どこであろうと働く人たちが達成感を味わい、称賛や感謝を受け取ることができる仕事場の環境をつくるのは、トップ経営者の責任だ。そういった組織の仕組みを創造するのは、トップ経営者の重要な仕事だ。 =======  

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