文化は人を窒息させる の商品レビュー
美学や美術史など、階級を維持するために機能している芸術に関する知識や権威は、芸術の創造には全く関係ないばかりか、表現者を窒息させるだけであるとして、それらを一切廃した先にこそ、真の生き生きした芸術創造があるのだと言う。 実に、アール・ブリュットらしい内容だった。昨今の日本の美術...
美学や美術史など、階級を維持するために機能している芸術に関する知識や権威は、芸術の創造には全く関係ないばかりか、表現者を窒息させるだけであるとして、それらを一切廃した先にこそ、真の生き生きした芸術創造があるのだと言う。 実に、アール・ブリュットらしい内容だった。昨今の日本の美術展覧会も、有名人ばかり、権威ばかり。お金を稼げる作品や表現者がもてはやされてつまらないと思っていたので、だいぶ昔の文章ではあるけれど、かなり納得しながら読んだ。 権威に習うよりも己の感覚を磨くべし。誰もが表現者になりえる時代になった今こそ必要とされる本。
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これは、アール・ブリュットに関心を寄せる人にとっては必読書といっても過言ではないと思います。 内容は、理解も共感もできるけどとても高い理想をずっと語っている感じ。 語彙や文化を取り払うことが重要であると主張されているけれど、あとがきでも記述があるように、彼のおかれている立場にも...
これは、アール・ブリュットに関心を寄せる人にとっては必読書といっても過言ではないと思います。 内容は、理解も共感もできるけどとても高い理想をずっと語っている感じ。 語彙や文化を取り払うことが重要であると主張されているけれど、あとがきでも記述があるように、彼のおかれている立場にも、保存や展示などの活動にも、また彼の語彙で著されたこの本にも、矛盾を感じずにはいられなかった。 これは1968年に書かれたものを訳してあるそうだけれど、実際に50年以上たった今でも、美術館の権威問題はずっと存在しているという風に私は認識しています。現代から見ても結構無理があることを話してる。 でもそれが悪いって言っているわけではなくて、デュビュッフェが提唱するアール・ブリュットをより深く理解するためにはそういった記述/この本が必要だと私は感じたんですね。もともとつかみづらい概念が、日本に来てさらに独自の進化を遂げてしまっている状況で、提唱者本人の考えを摂取できるのは本質に近づくことの一助になると思います。 理想論だ、とは言ったけど、彼が言ってることってアール・ブリュットに関心を寄せる人にとっては「ほんとそうだよなあ!!!」と思うようなことばかりなのではないでしょうか。私はそうでした。
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かっこいいぜー でも、自己矛盾がおおいに潜んでいる でもそんなことは問題じゃない そこの矛盾のなかからしか立ち上がれないでしょう、ね、デュビュッフェさん。 文化の中にあってこそ、文化化を拒否できるんだよ。 いや、そこに矛盾も感じてたから、アール・ブリュットみたいな、文化化...
かっこいいぜー でも、自己矛盾がおおいに潜んでいる でもそんなことは問題じゃない そこの矛盾のなかからしか立ち上がれないでしょう、ね、デュビュッフェさん。 文化の中にあってこそ、文化化を拒否できるんだよ。 いや、そこに矛盾も感じてたから、アール・ブリュットみたいな、文化化の外にある人たちへの眼差しも探した かっこいーぜー
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