のんびりヌルントゥルン(上) の商品レビュー
ムーミンのような顔の写真家の主人公が沖縄に魅せられ、その日常、文化や歴史を綴ったコミック。 三線の独特の譜面の話や、沖縄そば問題のエピソードなど、沖縄独自の文化について解説したり…ほのぼのしている。 しかし、ふと垣間見る日常がえげつなくもある。 賭博にしか見えない模合…… 水商...
ムーミンのような顔の写真家の主人公が沖縄に魅せられ、その日常、文化や歴史を綴ったコミック。 三線の独特の譜面の話や、沖縄そば問題のエピソードなど、沖縄独自の文化について解説したり…ほのぼのしている。 しかし、ふと垣間見る日常がえげつなくもある。 賭博にしか見えない模合…… 水商売が高校生の女の子の近くで蔓延している雰囲気(おそらく祖父母の代から?)があったり、 よく取り上げられる、基地で苦しむ人の話もあった。 沖縄と中国の両属(日本に服属しつつ、清を宗主国にした独立国家)という独自?な立ち位置を取った琉球王国。(二重外交…とは言わないか…?) 歴史的には、文化事業による外交戦略を取っていた事が伺える。それは素晴らしいのだが、近現代に至り、それだけでは通用しなくなってきた“現在”については見えてこない。 著者の意見だろうか……「いっそのこと独立して琉球国として他の国全部と仲良くなった方が沖縄が再び戦地にならずに済むんじゃないの?」 …と言うけれど、それは中国と日本の二重属国扱いだったからであって、独立すればなおさら応戦可能な武力が無いと地理的に軍事介入される場所であることは視点に無い。 相手が仲良くしようと思わなければ、(外交よりも占拠が良いと判断すれば)そうするのが領土問題なのだから。 実際、日本の戦闘民族・島津との戦いは兵力差から無血開城し、それに反発した女衆が天川坂(あまかーびら)で“熱いもち粟のおかゆ攻めで”迎撃したが、島津氏の腹ごしらえになっただけで、軍事力も無いので撤収した……という笑劇のオチ…… 琉球女性のしっかりもののおちゃめとは一体……
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