黙示 の商品レビュー

今野敏(著者)

2021/01/01

うーん、スケールが大きいんだか小さいんだか中途半端な小説だった。音川が煙に巻いたような言い方をするのと同じで、この小説も大したことのない事件（未遂）を壮大な話でモザイク加工したような、今で言うと「盛った」感じの作品に感じられた。丼もの頼んだらすっごい上底の器がきて、箸差し込んだら意外と浅いところでカチンて底に当たったときのような「え？」っていう小説。

2020/12/08

萩尾警部補シリーズ第3弾

東京の高級住宅街・松涛で窃盗事件発生との報を聞き、萩尾警部補は相棒の秋穂と現場に向かった。被害者でIT長者の館脇によると、盗まれたのは神から与えられたという伝説をもつ「ソロモンの指輪」で、四隠円かけて入手したものだという。キュレーターの音川は、指輪の盗難に暗殺教団、山の老人が関わっており、館脇が命を狙われていると指摘。古代文明に精通した探偵・石神が館脇の警護につくが―。

指輪を盗めたのは女中、秘書、探偵の石神、館脇(自作自演)
防犯カメラからソロモンの指輪を盗めたのは女中と特定
その翌日に部屋を荒らしたのも女中。探していることを偽装。
指輪は持ち出されてなく、女中は部屋に隠してあった

動機は。会社の資金が減っているのに館脇が4億円も使って指輪を購入。
秘書は女中に指輪を盗むように依頼。
その売り先を音川に相談。
指輪はソロモン王の指輪だが15世紀のもの。古代文明ではなかった。

未遂の教唆で音川は罪におとがめなし
女中と秘書も盗んでいないのでおとがめなし

ソロモンの指輪にまつわる山の老人の話。命を狙われる。
調査と身辺警護を依頼した石神、家のセキュリティーを預かっていた、を捜査一課が逮捕状をもってきたが真相判明

女中、秘書もクビにせず。
音川は世田谷でソロモンの指輪展開催

2020/11/18

警察ものでは珍しい盗犯係の萩尾シリーズですが、今回は読者も「ハギさん」も肩透かしなお話

余談の方がどんどん膨らみ、探偵まで出てきて胡散臭さ満載
興味が無い人には残念な話ですが、着地点は現実的なところになっています
人によっては、かなり忍耐を強いられます

「ハギさん」は、もっと早くに見当がついていたのかもしれませんね
長引かせたのは、「音川」の尻尾を捕まえられると考えていたのかもしれません

こいつとの対決は今後も続くのかな？

2020/10/22

結構前に高橋克実さんと榮倉奈々で連ドラ化された萩尾警部補シリーズの3作目で、久しぶり。ソロモン王も登場し、スケールの大きな話だが、最後はすっと収まる。嫌な捜査一課刑事も登場し、今野さん、実は警察嫌い?

2020/10/11

警視庁捜査第３課、窃盗犯捜査のいわゆるドロ刑話。盗まれたのはソロモンの指輪。話はアトランティスとかその筋の「山の老人」なる暗殺集団とか…。その手の話も嫌いではないのだが、ミステリに出てくるとちょっと違う気がする。痕跡を残さない窃盗手口も目新しいものはなく、というより全くの予想通り。前にも書いたが、この著者は本を出しすぎる。一つの話にじっくり取り組んで深いものを書いてもらいたい。って上から目線だが本当にそう思います。

2020/09/16

窃盗犯捜査という地道な捜査を丁寧に描いていた。
先が読めないストーリー。
最後の場面は秀逸。意外な結果が待ち受けていた。
登場人物のいる場所、タイミングが無理なく書かれているのが、最後にストンと判る。

2020/09/07

賛否は分かれるかもしれないけど個人的にはユニークな作品だと思う。ちょっと盛りすぎ感と同期に弱さを感じるがこれはこれでありかなと。

2020/08/20

珍しく探偵ものっぽい作品。人が死なないと面白くないとは決して言わないが、作者の真骨頂はやっぱり凶悪犯モノかな。トリックはないに等しく動機と犯人探しに終始したのがやや残念。

2020/08/02

地元渋谷の観光案内みたいに読み進めたが、どんでん返しというより、ソロモンの指輪、暗殺教団まで示唆しては誇大広告では？読みやすいのは良いのだが、だんだん内容が薄っぺらになってきているのがファンとしては気になります、今野さん！

2020/07/21

萩尾警部補シリーズ第4弾。

警視庁捜査3課の盗犯係という刑事ものでは第一課の強行犯や第二課の知能犯ではないのが面白いのですが、本作ははずれに近いです。
事件自体がしょぼいのに長編としていろいろ絡めている割にオチもしょぼいです。
コンビの特徴もマンネリ化しているし、シリーズをてこ入れするような事件が欲しいところです。