仕事に効く 教養としての「世界史」 の商品レビュー

出口治明(著者)

2024/06/22

「自分が生まれる前のことについて無知でいることは、ずっと子どものままでいること」だから歴史を学ぶことは「仕事に効く」かどうかに関係なく大事ではあるのだろう。
ただし、本人が冒頭で「歴史が好きなアマチュアの一市民」なので「勘違いや誤解が多々あると思います」と正直に吐露していることには留意すべきかなと思う。

2024/05/14

直接的に仕事に効くかどうかは分からないが面白かった。普段日本史の本にはよく触れているけれど、世界史とつなげて理解できるともっと面白くなるなと感じた。歴史の専門家ではない出口さんが自ら学んだことを咀嚼し自分の言葉で伝えてくれているので、世界史素人にもわかりやすかった。

2023/12/14

単なる事実の羅列ではなく、世界史について自ら学んだことを咀嚼し、腹落ちするまで理解した上で整理することの重要性を認識した。世界史を理解することは今起こっていることをより深く理解することに繋がる。もっと世界史の造詣を深めていきたいと感じた。

2023/05/23

なかなかの読み応え。
ただ、途中は、何となく出来事や人物をなぞるだけのような感じだったかな。
でも、歴史を辿ってきた、各章を経て、終章で語られていることの意味深さは感じ取ることができた。
出口さんの、歴史の知識を、古代から近代まで一冊にするのは無理なんだろうなと思った。

2023/01/07

教養としてのというフレーズにある通り、内容は結構難しい。基礎知識がない人は、途中でググったりして、確認をしながら読まないと、分からなくなります。しかも400ページ近くあり、まあまあボリュームもあるので読むのに時間がかかりました。

内容としては、世界史の流れの背景やそれが諸外国に与えた影響などをまとめていて、とても興味深い内容でした。遊牧民族やイスラム系の王朝名などは名前もわからない上に、時代も行ったり来たりしていたので、読んでいてこんがらがってしまいました。その辺はもう少し親切な図解があったら良いなと思いました。

2022/07/14

読み物としてわかり易く興味深い。著者の長年の読書に裏打ちされた、博識ぶりに驚かされるとともに、そこから導き出された思索もおもしろい。今回は気になるところや興味のあるところをじっくり読んで、あとはパラパラと斜め読みした。
個人的には、シルクロードについて、主に運ばれたのはおそらく人間との仮説はおもしろく思った。シルクロードでもっとも重要だったのは、奴隷貿易だったとのことで、例えばペルシャの白人女性が長安の社交クラブ等での奴隷として売られていた（のではないか）との話は興味深かった。イメージとはすこし違うんだなと。
また2013年のアルジェリアでのテロ事件に関し、フランスが陸軍をマリに送り込むなどの介入に躊躇がなかったのは、近隣国のニジェールのウランに大きく依存している原子力国家であるため（ではないか）との見方もなるほどと思った。
よく言われている解説本とは違い、複眼的な観点で歴史を捉え、長いスパンで物事を考えること、それをもとに現代社会の変化を自分なりに分析、読み解いてみる視点・姿勢を持つことが大切であることがよく分かった。

2022/03/26

とにかくわかりやすい、面白い。
長い時間軸を持ち客観的で複眼的に物事捉えよう、ということを歴史を振り返りながら言っている。

いや、出口氏、知の巨人です。

2021/08/29

仕事に効くとあるので期待していたが、結果は大変な失望だった。
第一に、筆者の歴史知識に誤りがある。典型的なものはp.32-33のサスケハナ号に関する記述で、本書では戦艦と記述されているがフリゲート艦であり、大和型戦艦とは船体の大きさも軍艦の役割も違う。祥伝社の編集はなぜ見逃したのか？
第二に、歴史記述としては極めていい加減だと言わざるを得ない表現が多々ある。「～と私は思っている」「～という気がします」「ひょっとしたら」等々、筆者は歴史学をフィクションか何かだと思っているのかと、溜息しきりだった。
第三に、筆者が自らの見識を披露する際に根拠を出すことはめったになく（歴史本としては大問題である）、巻末の参考文献は読んでいないことは明らかである。さらに自説の根拠が松本清張らの歴史小説と主張するのだから呆れるしかない。
まったく、このような本で歴史から何かを学んだ人間がいるならば、取引先ならば物笑いの種にし、上司ならば敬遠し、部下ならば排除するだろう。
金を返せ、と言いたくもなる。

2021/07/12

いやー、面白かった！
出口さんの見識の広さが伝わってくる本でした。他の著者を通じて出口さんのファンになった身としては、こんなふうに好奇心と探究心を持って学ぶことで人間としての奥深さも出てくるのかなと思いました。
宗教も意外と世俗的な要因でいろんな事が決まってきたというくだりが特に面白く感じました。

2021/04/14

出口先生の文が好きで購入しました。
仕事に効くとありますが、人生生きてく中でのものの捉え方全般に効くと思います。
世界史なので、原因があり結果として歴史はこう動いた、というのが当たり前といえば当たり前ですが、その流れの説明が分かりやすいです。
その時の当事者の心情（推察）が、とても噛み砕かれた表現でなされていて、これも理解度を上げてくれます。
時代にしても文化や風土にしても、自分の目の前のことしか捉えることしかできず、それを基準にしがちですが、むしろ人類史の中では別のこっちが「ありがち」なのでは？を教えてもらいました。考え方が広がります。
多く本を読み、たくさん経験する意味をまた知りました。