じんかん の商品レビュー
これは、読み応えありの大当たりの小説でした。 松永弾正・・・戦国一の悪人イメージでしたが、この小説を読んでイメージ一新、なんて恰好良くて、漢だぜ!って感じです。 一番好きなキャラは、弟です。 とにかく、おもしろいエンターテイメント歴史小説です。 大河ドラマでじっくり映像を見てみ...
これは、読み応えありの大当たりの小説でした。 松永弾正・・・戦国一の悪人イメージでしたが、この小説を読んでイメージ一新、なんて恰好良くて、漢だぜ!って感じです。 一番好きなキャラは、弟です。 とにかく、おもしろいエンターテイメント歴史小説です。 大河ドラマでじっくり映像を見てみたい。そんな気にさせる物語でした。
Posted by
歩兵狩りをしていた貧しい幼少時から一国の大名にまでになった松永久秀の物語。 大河ドラマで見た松永久秀は、大悪人、裏切り者、荒くれ者そんなイメージでしたが、仲間や民を思い、人を大切にする?真逆のお話で調子抜け
Posted by
これまたどうする家康的ファンタジーかと途中で嫌気が差しかけたけど、最後まで読み終えると壮大な男のロマンでした。小説だとわかっていても、神や仏に叛くものの清廉さや崇高さに心を打たれ、松永久秀に対する認識を大きく改めました。 ぜひ大河にして欲しい。 2024-031
Posted by
歴史は勝者と物書きが作り上げる。 松永久秀についても、同様なのだろう。 彼がこの話ほど善人でなくとも、可能性のひとつとしては十分考えられる物語であった。
Posted by
今村翔吾さん「塞王の楯」に続き2作品目。今村さんの作品は時代小説特有の陰気臭さと断定的に感じる歴史観の強要みたいなものを全く感じさせない。だから面白くスラスラ読める。そして勉強にもなり今回に至っては最後は感動的だった。 戦国の三大梟雄と、斎藤道三、北条早雲と並び名を連ねる松永久...
今村翔吾さん「塞王の楯」に続き2作品目。今村さんの作品は時代小説特有の陰気臭さと断定的に感じる歴史観の強要みたいなものを全く感じさせない。だから面白くスラスラ読める。そして勉強にもなり今回に至っては最後は感動的だった。 戦国の三大梟雄と、斎藤道三、北条早雲と並び名を連ねる松永久秀が主人公。 この作品を読むまでは松永久秀の事は深く知らず、ただ悪名高い人物と存知していただけだった。 歴史上の事ゆえに今自分達が知っている事とは、史学的な痕跡を辿り何があったのか?という証拠と伝聞と発見される書物からの推移でしかわからない。それが所謂の所、通説となっている。 その時に誰がどう思ったのか? どう言葉にしたのか? どういう感情だったのか? その原因、動機等はあくまで推測でしか分からない、後付け的な事が多いと思う。 今作品はその盲点みたいな所を上手く主人公久秀に重ね、エンターテイメント作品として新たな推測を導入されている。 「新仮説•松永久秀」といったような素晴らしい作品だった。 物語は「松永久秀、織田に謀反」と信長に知らせが入る所から始まる。そして信長による久秀の半生の回想譚を小兵の付き人に己に談ずるよう語らっていくという物語。 信長目線からの久秀、この作品の魅力、信長と久秀の距離感が抜群だと感じた。 これ以上ないと思うくらいの自分の立場をわきまえた上でのお互いへの高い尊重と敬意が読み取れる。 暗い夜の中、灯る楼の中で信長が久秀を想って訥々と穏やかに語らう姿がその象徴に思えた。 そして今村さんが描くこの久秀の人物像が秀逸すぎる。 今の時代から見ればかなりの善人なのでは?と思う位だった。 久秀の主君(三好長慶)、弟、義兄弟、仲間、国、民を思う気持ちに圧倒された。 もし久秀が長慶と、或いは信長と共に天下を取っていたらどんな世がつくられたのだろうか?なんて想像してしまう。 「じんかん」という部分も秀逸で、人と人とが織り成す間の事を指している。「人間」っていう漢字自体にそんな意味があったとは、無知すぎて恥ずかしい。 特に久秀と長慶、久秀と信長の「じんかん」に驚愕。 この歴史上の大名勇達にこんなにも高貴な「じんかん」を植え込むとは、作者のセンスが計り知れない。 そしてこの言葉以外、この作品タイトルはないであろう。それぐらい素晴らしいタイトルだと読後に感じられた。 最高だった。 直ぐに今村作品をまた読みたいと思い「幸村を討て」を購入したので早速楽しみたいと思う。
Posted by
今村翔吾さんの作品は熱い人の想いを感じられて、どれもいいです。 ちょっと風刺的な要素をねじ込んだ印象でしたが、それを含めて今を生きる人たちへの分かりやすいヒントだと思いました。 ただ、戦国武将の話で毎度思うのは、自分だけは「戦なき世」を作ろうとしているんだという人物像、その割に兵...
今村翔吾さんの作品は熱い人の想いを感じられて、どれもいいです。 ちょっと風刺的な要素をねじ込んだ印象でしたが、それを含めて今を生きる人たちへの分かりやすいヒントだと思いました。 ただ、戦国武将の話で毎度思うのは、自分だけは「戦なき世」を作ろうとしているんだという人物像、その割に兵は使い捨てにし、民は常に苦しめられているという矛盾。冷静になると興醒めしてしまうので、考えないようにしています。
Posted by
今村翔吾さんの作品、三冊目。今村翔吾さんにすっかり魅了されてしまい、複数冊を本棚登録し、立て続けに読んでいる。本作も、まるで大河ドラマを観ているかのように、臨場感あふれる作品だった。前半の勢いが途中からやや失速していく感があるのは、主人公の松永久秀の生涯自体が、思うに任せないもの...
今村翔吾さんの作品、三冊目。今村翔吾さんにすっかり魅了されてしまい、複数冊を本棚登録し、立て続けに読んでいる。本作も、まるで大河ドラマを観ているかのように、臨場感あふれる作品だった。前半の勢いが途中からやや失速していく感があるのは、主人公の松永久秀の生涯自体が、思うに任せないものだったからだろうか。 戦国期からの天下統一は織田信長から語られていくことが多いが、更にその前の時代を生きた人々が確かにいて、歴史は連綿とつながっていることに、あらためて思い至った。織田信長が語り手に据えられていることで、そんなあたりまえだけど忘れがちなことに気づかされ、人の想いは積み重なり志は受け継がれていくのだと、今日が明日へと繋がっていくように感じられ希望が持てた。
Posted by
信長に謀反を起こすも許され、二度目の謀反の時に名器「平蜘蛛」と爆死したと言われる松永久秀。主家を裏切り将軍を弑し東大寺を焼き討ちした悪党と描かれる事が多い。だが信長が朝倉・浅井に敗れ敗走を助けたのも松永久秀である。謀反するくらいなら何故あの時は助けたのか?それには信長より以前に天...
信長に謀反を起こすも許され、二度目の謀反の時に名器「平蜘蛛」と爆死したと言われる松永久秀。主家を裏切り将軍を弑し東大寺を焼き討ちした悪党と描かれる事が多い。だが信長が朝倉・浅井に敗れ敗走を助けたのも松永久秀である。謀反するくらいなら何故あの時は助けたのか?それには信長より以前に天下布武を唱えた三好家の存在があった。 面白い。この本を読むまでは松永久秀といえば狡猾な爺さんというイメージしかなかったが、夢を追い求めた果ての武士と改めた。 色々な見方がまだまだあるんだと感じて楽しく読めたが分厚いので持ち手が痛くなるのは御愛嬌。
Posted by
この作品の内容が本当だとしたら、いかに歴史は人の都合で残されているのだなと思います。 松永久秀のイメージが今までと正反対で、こっちが本当だったら素敵だなと。 悪人と呼ばれてる人の人生を史実を基にしてこんなに正反対に描けるもんだなと感心しました。
Posted by
一般的にはあまり良い印象では語られることの少ない戦国武将、松永久秀の生涯を描いた作品。 まさに自分自身も同様の印象であったが、本作品を読み、なるほどこういう見方もあるのかと目から鱗が落ちる思いだった。 著者のどの作品も人生・生き様という深いテーマが根底にあり、仲間の想いや夢の実現...
一般的にはあまり良い印象では語られることの少ない戦国武将、松永久秀の生涯を描いた作品。 まさに自分自身も同様の印象であったが、本作品を読み、なるほどこういう見方もあるのかと目から鱗が落ちる思いだった。 著者のどの作品も人生・生き様という深いテーマが根底にあり、仲間の想いや夢の実現に向けて必死に動く姿に感銘を受ける。 現代に生きる我々と比較して、常に死が隣合わせにあったからこそ、何が正義なのか、各登場人物や発せられるその言葉の重みにもまた、心を打たれる。 こういった様々な解釈ができるところこそ歴史小説の面白さ、醍醐味であり、本作品は物語としても素晴らしい。
Posted by