ガラッパの謎 の商品レビュー
歴史や伝承は、勝者が創りだすものが圧倒的き多い。 埋もれてしまった何者かの物語りが、ひっそりとでも生き残っていてくれれば嬉しい……。 きっとそれが歴史ミステリー!
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主人公が大学の後輩に頼まれて幼馴染の引きこもり作家とともに鹿児島の隠れキリシタンの謎に迫っていく話。 伝承を追いながらネットと資料を駆使して裏付けをしていく、そしてレンタカーで九州を縦断するタフさが真摯に真実を追い求めている若者として好感がもてました。 九州の河童伝説はほぼ知...
主人公が大学の後輩に頼まれて幼馴染の引きこもり作家とともに鹿児島の隠れキリシタンの謎に迫っていく話。 伝承を追いながらネットと資料を駆使して裏付けをしていく、そしてレンタカーで九州を縦断するタフさが真摯に真実を追い求めている若者として好感がもてました。 九州の河童伝説はほぼ知らなかったので興味をそそられました。 少し御都合主義なところもあり、最後も綺麗にまとまりすぎている感じがありますが、とても面白く読めました。
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鯨統一郎の『邪馬台国はどこですか?』みたいな内容。でも、謎解きに対する姿勢は、こちらは、びっくりするくらい真摯。河童伝説は、全国にたくさんあるし、少しこじつけくさいぞ……と思いながら、個人的に遠藤周作の『沈黙』が好きだったり、日本のキリスト今日に興味があることもあり、知的好奇心を...
鯨統一郎の『邪馬台国はどこですか?』みたいな内容。でも、謎解きに対する姿勢は、こちらは、びっくりするくらい真摯。河童伝説は、全国にたくさんあるし、少しこじつけくさいぞ……と思いながら、個人的に遠藤周作の『沈黙』が好きだったり、日本のキリスト今日に興味があることもあり、知的好奇心を刺激されつつ楽しく読めた。
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#このミス大賞2020 の隠し玉。 鹿児島に隠れ切支丹なんて居ない。 何故なら柳田國男も折口信夫もそんな説を書いていないし、鹿児島に隠れ切支丹がいたなんて資料が全く無いからだ。 主人公の大学の後輩、 その鹿児島の祖父が、 隠れ切支丹だったことが白日の元に晒され、 その信仰をト...
#このミス大賞2020 の隠し玉。 鹿児島に隠れ切支丹なんて居ない。 何故なら柳田國男も折口信夫もそんな説を書いていないし、鹿児島に隠れ切支丹がいたなんて資料が全く無いからだ。 主人公の大学の後輩、 その鹿児島の祖父が、 隠れ切支丹だったことが白日の元に晒され、 その信仰をトンデモ宗教だと全否定された。 祖父は本当に隠れ切支丹だったのか? 祖父が信じていたものは何だったのか? 情報ゼロの焼け野原から真実を見つけに九州に現地調査に行く、主人公と引きこもり作家、主人公の後輩の3人によるリドル追い小説。 隠し玉にしたのワザとなんじゃと思わせるくらい"隠し"案件が頻出してくる。 民間伝承、歴史的事実、オカルト、アニメ、 伝統料理、聖地巡礼、、、 えらい角度から事実を徐々に浮き彫りにしていき、 真相に辿り着くまでの過程は知的好奇心を刺激し、全ての否定を掻い潜った先の膝打ちの音は大きい。 ラノベ畑らしい氏の明瞭簡潔な文章、 裏付けキッチリの論拠、 探偵の名推理とかでのキャラ追いをさせるというよりかは、 説成立を読ませたい小説だと思う。 ただオチは綺麗っちゃあ綺麗だが、 教授と最終決戦してほしかった、とは思った。 まぁ落とし所としてはあれが一番綺麗ではある。 歴史の通説とは常に勝者の都合のいいように捻じ曲げてきた虚構だ。 その真実と嘘のギャップを突いていく様は、 ジャイキリの体にもなるので共感しやすい。 歴史好き、オカルト好きは間違いなく楽しめるだろうし、そうでなくてもおもしろ雑学いっぱいだし読みやすいから一読してみても。 九州の町とか、鹿児島の地名の由来とかね。 ちなみに、ガラッパとは九州での河童の呼称らしいのだが、 河童、切支丹、、、ハゲ、、、ザビエル!? と閃いたあなた。 あたらずも遠からずです。 ごめんなさい。嘘言いました。 あたらずも遠からず寄りの遠からずです。 まぁ読んでみてちょんまげ。
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18回「このミステリがすごい!」大賞応募作品の改題した作品 歴史の新説のような話かと思って 読み始めました 最後のページに (作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物、団体等とは一切関係ありません) と書いてあるので、想像のお話のようです 歴史上のかなり沢山の 有名な...
18回「このミステリがすごい!」大賞応募作品の改題した作品 歴史の新説のような話かと思って 読み始めました 最後のページに (作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物、団体等とは一切関係ありません) と書いてあるので、想像のお話のようです 歴史上のかなり沢山の 有名な人物、町、妖怪等出てきて それが隠れキリシタンに 繋がっている様な話しでした 自分的にはあまり納得出来なかったし 没頭出来なかった小説(ミステリー?)でした
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久しぶりの購入本。「このミス」大賞シリーズの2020隠し玉だというのだから、はずれはないだろうと。「隠れキリシタン」の新説だというし。結果当たり!!
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図書館で借りた本。 ひきこもりの推理小説家と歴史を研究している学生のコンビが、九州の隠れキリシタンの謎を解く。実は大樹の後輩が、その地域の出身で、祖父の謎の儀式は、メダルは本物か。
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小説というよりも新書を読んでいるような感じだった。途中まではそれぞれのキャラ設定なんてどうでも良くなるくらい、研究者の仮説の証明過程が詳細に書かれていて、謎の広げ方も興味深かった。九州の色々な地名も出てきて、九州出身者としてはワクワクが止まらなかった。3人の関係性はありきたりで面...
小説というよりも新書を読んでいるような感じだった。途中まではそれぞれのキャラ設定なんてどうでも良くなるくらい、研究者の仮説の証明過程が詳細に書かれていて、謎の広げ方も興味深かった。九州の色々な地名も出てきて、九州出身者としてはワクワクが止まらなかった。3人の関係性はありきたりで面白味に欠ける部分もあったが、公表しないことが過去に生きた人々の意思を守ることという結論には拍手を送りたい。 ※旧タイトルの「鰓を食らい、毒を矯む」はインパクトこそないが、読後はすごく良いタイトルに思える。
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隠れキリシタンから、ユダヤ教、八幡神社に邪馬台国、河童に一向宗。 一気に読んだ。 面白かったけど、情報量が多い。 詰め込んできたなぁという印象が最後に残った。 そのせいか、最後の方で飽きてしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冒頭の教師のやり方はないわー、そりゃ引きこもるわとドン引きから始まった引きこもり作家の歴史ミステリ。 いや、全然引きこもらなかったんですけど、この話では。 最初は鹿児島の隠れキリシタンの存在を証明するための旅だったのに、河童に一向宗、ユダヤ教に「ヨッカブイ」という謎のお祭りまで登場。 しかも引きこもり作家の水瀬がオタクなこともあって、『夏目友人帳』の聖地巡りの話まで出てきて、どないなってるんだとびっくり。 それが破綻せずに繋がっていくのは純粋に面白かった。 (『夏目』の件は完全に寄り道話ではあるが) 登場人物たちはそれぞれにキャラが立っているので、キャラクター小説を読んでいるような手軽さがありながら、しっかり歴史ミステリになっているのが面白い設定であり魅力である。 実際作中の水瀬の格好をしていたら通報ものだろうけれど。 ある意味フィクションだから許される所業。 ライバルとも言える某先生を言い負かすことは諸事情で断念せざるを得なかったが、実在かつ最新の史料による隠れキリシタンの新説、面白かったです。 是非実物を画像検索かけながら読んでほしい一冊。
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