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国家・教会・自由 増補新装版 の商品レビュー

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2021/06/23

コバケンこと木庭顕が『誰のために法は生まれた』の中で、生徒である中学生・高校生相手に「スピノザは偉大です。是非挑戦してみてください」と挑発しているので、調べた。東京大学出版会刊行、556ページ、税込みで9,240円。さすがのamazonでも読者の書評がまだついていない(旧版には星...

コバケンこと木庭顕が『誰のために法は生まれた』の中で、生徒である中学生・高校生相手に「スピノザは偉大です。是非挑戦してみてください」と挑発しているので、調べた。東京大学出版会刊行、556ページ、税込みで9,240円。さすがのamazonでも読者の書評がまだついていない(旧版には星5つ)。 「これはとても手が届かん...」と諦めかけたが、なんと驚いたことに、地元の図書館が所蔵していた。しかも増補新装版の方だ。 注に英語(といってもHobbes "Leviathan"の古英語)、ラテン語、ギリシャ語、オランダ語が登場する、ゴリゴリの学術書だが、研究者にあらざればすべて無視。 コバケンの言うとおり、圧倒的に面白い。 要は近代政治思想が旧約・新約の宗教(=異端審問)の論理を追求し、またいかにかいくぐって、世俗権力の正当性と、個の思想の自由を確立していったかを、粘り強く跡づけた書だと思う。 國分功一郎の一連の書ともども、スピノザを読んでみようという気になった。

Posted byブクログ