スパイの妻 の商品レビュー
映画監督・黒沢清氏が、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した映画「スパイの妻」の小説版として書き下された作品。 満州国ハルピン郊外において、関東軍防疫水部本部(731部隊)が極秘裏に研究開発を進める生物化学兵器(ペスト菌)の実験記録フィルムをめぐって、神戸で貿易商を営む夫...
映画監督・黒沢清氏が、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した映画「スパイの妻」の小説版として書き下された作品。 満州国ハルピン郊外において、関東軍防疫水部本部(731部隊)が極秘裏に研究開発を進める生物化学兵器(ペスト菌)の実験記録フィルムをめぐって、神戸で貿易商を営む夫(福原優作)とその妻(聡子)が、混沌とした時代に翻弄されながら、愛と大義に揺れ動く男女の凄まじい葛藤を描いた、歴史心理サスペンス小説に仕上げられている。二転三転する緊迫した筋運びの面白さに、時間を忘れて読み耽った。
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スパイというのは、もっと自ら望んでやる仕事だと思っていたけど、こんなどうしようもない感じでなることもあるんだなと。 でも、自分が同じ立場に立つと同じことが出来るだろうか? 無理だ。
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1940年、第二次世界大戦下における商社の社長優作とその妻聡子を巡る物語。 優作にはスパイ容疑がかけられ、「2人の間に秘密はない」といっていた関係性が徐々に変化していく様子がとても惹きつけられました。もしかしたらこんな事が本当にあったのかもしれない、と思うような時代背景と設定に切...
1940年、第二次世界大戦下における商社の社長優作とその妻聡子を巡る物語。 優作にはスパイ容疑がかけられ、「2人の間に秘密はない」といっていた関係性が徐々に変化していく様子がとても惹きつけられました。もしかしたらこんな事が本当にあったのかもしれない、と思うような時代背景と設定に切なくなり、やはり戦争なんて絶対やるべきじゃないと感じました。
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若い人のオススメ。 途中、だれた部分もありましたが、まあ、一気読み。 蒼井優さん、高橋一生さんのドラマを 気になりながら見なかったことが悔やまれます。
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戦争に向かっていく時代の小説を読むと、息苦しい。 ザッザッと兵隊の行進の足音が迫ってくるような、暗雲に向かって進んでいくような気がする。 日本軍がペストを生物兵器にしているという機密事項。 今のコロナ渦と重ね合わせずにいられなかった。 優作は妻を裏切るように守ったけれど、結局...
戦争に向かっていく時代の小説を読むと、息苦しい。 ザッザッと兵隊の行進の足音が迫ってくるような、暗雲に向かって進んでいくような気がする。 日本軍がペストを生物兵器にしているという機密事項。 今のコロナ渦と重ね合わせずにいられなかった。 優作は妻を裏切るように守ったけれど、結局どうなったんだろう。 命がけの渡航は意味があったのか、そこが読みたかった。 聡子が幼なじみの元憲兵(実は昔から好意を持たれていた)と再婚するのも、なんかちょっと、昔の少女マンガ的な展開というか、好きではなかった。 あの時代の女は、結局男がいないと生きていけないのか。 わかってはいるが、どうしても現代の自分の価値観が出てきてしまう。
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- ネタバレ
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映画「スパイの妻」の小節版。ちなみに、映画は観てないです。 夫の優作さんを大好きな聡子さんが、戦争と旦那とに振り回されて「スパイの妻」になってしまうまでのお話。 聡子さん側からどうしても読んでしまうので、優作さんの人でなし具合がね、もう腹が立ってね。泰治さんがいてくれて本当に良かったです。それでも、騙されて置いて行かれたと分かった時点で、心は死んじゃうよね。 ストーリーとして面白かったけど、後味の悪さはやはりぬぐえず。映像だとまた違った感じになるのかな?ま、でも、観ないだろうな。
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最高。ドラマや映画よりしっかり細かいところまで描かれていて綺麗に始まり綺麗に終わる。久々に「うわあ、よかったなあ」と思えたし、人に勧めた。浮かぶ情景がなんとも綺麗で絶望的だった。
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1940年、太平洋戦争前夜の神戸。 福原聡子は、貿易商の夫・優作が海外へ渡ると、 無事の帰りを祈りつつただ待つだけ。 そして、優作が動き出すと、聡子と同じように読者の私も落ち着かなくなる。 彼を信じてもいいのだろうか。 終盤に向けて謎が次々と解けていく。
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戦争下の日本が、現在のコロナ禍の日本と共通する部分が多くてびっくりしました。 学べる部分が多かったです。
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面白かった、けど、もしかしたら映像の方が迫力があって面白いのかも。 いつもなら、映像より本!だけど。
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