十字街 の商品レビュー
1933年から1934年にかけてフランス政財官界を揺るがしたスタヴィスキー事件を題材に、パリで暮らす4人の日本人が巻き込まれていく。 十蘭の短編は非常に好きなのだが、どうも長編は肌に合わない。冒頭の、地下鉄で両脇を抱えて死体を運んでいるところを目撃してしまうなど、部分的には面白い...
1933年から1934年にかけてフランス政財官界を揺るがしたスタヴィスキー事件を題材に、パリで暮らす4人の日本人が巻き込まれていく。 十蘭の短編は非常に好きなのだが、どうも長編は肌に合わない。冒頭の、地下鉄で両脇を抱えて死体を運んでいるところを目撃してしまうなど、部分的には面白いと思うところはある。新聞連載ということもあり、スピーディな展開で、どんどん先を読ませるのだが、巻き込まれたサスペンスがあるかと思うと、割合淡白に次々と進んでしまい、人物に感情移入もできない。 ただ、本作が容易に入手可能な状況になったのは嬉しいことである。
Posted by
- 1