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経済政策形成の論理と現実 の商品レビュー

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2020/11/17

本書は経済学の理論がいかに政策として形成され、それが実現されるのかを「政策生成プログラム」という概念を用いて解明しようとする意欲的な作品である。 第Ⅰ部ではその理論的考察がなされ、第Ⅱ部では政策プログラムの社会的受容について、1930年代の恐慌と現在の停滞を事例に説かれいる。 ...

本書は経済学の理論がいかに政策として形成され、それが実現されるのかを「政策生成プログラム」という概念を用いて解明しようとする意欲的な作品である。 第Ⅰ部ではその理論的考察がなされ、第Ⅱ部では政策プログラムの社会的受容について、1930年代の恐慌と現在の停滞を事例に説かれいる。 著者に寄れば、「政策生成プログラム」として確固とした中核を持ち、「防備帯」を前進的に進化させてきた理論は、ケインズ経済学と古典的自由主義のみである。 上記を踏まえて、第Ⅲ部ではケインズ経済学がなぜ生き残ったのか、さらにケインズ主義Ⅱがどのような進化を遂げたのかについて明らかにしている。錯綜しているかに見える種々の現代経済理論が「政策生成プログラム」という観点から整理されており、一般読者にもわかりやすい叙述となっている。

Posted byブクログ

2020/08/28

とても、重厚で充実した内容の一冊でした。経済政策はどのように生み出され、どのように実際の政策として採用され、どのような相克を経て進化してきたのかといった内容ですが、あまりにも多くの情報量で自分の記憶にはとても留めおけないと感じ、ノートにメモをしながら最後まで読みました。 第Ⅰ部で...

とても、重厚で充実した内容の一冊でした。経済政策はどのように生み出され、どのように実際の政策として採用され、どのような相克を経て進化してきたのかといった内容ですが、あまりにも多くの情報量で自分の記憶にはとても留めおけないと感じ、ノートにメモをしながら最後まで読みました。 第Ⅰ部では、経済政策が実現されるためには、どのような手段が必要で、それが一般社会にも受け入れられるようにするためにはどういったことが必要なのか。 第Ⅱ部では、過去の現実では経済政策がどのように選択されてきたのか、 第Ⅲ部では、ケインズ主義がどのような変遷を経て現在のような形になったのかが著されています。 一部、自分の頭に全くなかった経済理論が出てきて、第8章は理解しきれなかったので、これは、後日また学ぶことにします。

Posted byブクログ