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病院家庭医 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2022/02/25

病院で勤める若手中堅 家庭医がのびのびと執筆してくれています。 common diseaseへのアプローチ、病院で活かせる家庭医療の技、病院だからこそできるケアと支援、地域包括ケア病棟と在宅医療 中小病院で研修、勤務している方に是非お薦めしたい本です。

Posted byブクログ

2020/04/20

なにより病院総合診療医というタイトルにしなかった時点でこの本の存在意義は十二分に高いと言える。 しかも表紙に「家庭医療が診療所のものだと誰が決めた?」とまで書いてある。 家庭医療専門医やその正式なトレーニングを受けた人間にとってはごくごく当たり前のことしか書いていない書籍だが...

なにより病院総合診療医というタイトルにしなかった時点でこの本の存在意義は十二分に高いと言える。 しかも表紙に「家庭医療が診療所のものだと誰が決めた?」とまで書いてある。 家庭医療専門医やその正式なトレーニングを受けた人間にとってはごくごく当たり前のことしか書いていない書籍だが、家庭医療=診療所と考えている医師、また病院に家庭医療は本当に必要なのか?と考えている医師や管理者に対し、なぜ、病院にも家庭医療が必要なのか?の疑問に答える書籍である。 とくにI章は家庭医療学の病院現場への落とし込みが具体的に書かれており、初学者にはよいガイドとなろう。ただし、I章01「病院家庭医は日本独自の新たなspecialtyだ」についてはアテンションを得るための意図的な誇張表現かもしれないが、病院家庭医と名乗りを挙げるならばそのベースとなる理論的基盤は家庭医療学であり、中小病院医療、診療所医療、在宅医療、地域医療という言葉はその活動の場を表現するのみで、専門性を表現しているのではない、と考えるならば本書の理念と論理的矛盾があるのかもしれない。(この辺りはどうしても診療対象の兼ね合いで完全に内科学を捨てきることも難しい病院家庭医のジレンマなのだろうか) 病院総合診療医学というタイトルの、某学会の教科書があるが、そこには症候編、病院管理編といわゆる「各論」しか取り上げられておらず、どのように物事を考えて病院医療を実践すべきかについての「プリンシプル」が提示されていない。(その点においては新・総合診療医学 病院総合診療医学編 も同じである。まあこちらは診療所 総合診療医学編と合わせて一つなので役割分担と思われるが) 一方、地域基盤型の中小病院医療をどのような理念、考え方、学問に基づいて実践するべきかという視点で編集された本書は他の類書とは一線を画する書籍である。 欲を言うならばすでに20年前の書籍ではあるがSaultzのTextbook of Family Medicineの中で書かれている、未来の家庭医療の挑戦として、不要になるかもしれない、と名指しで取り上げられている入院診療、侵襲的手技の両方が現在の日本における中小病院医療で求められている。それらを担うのが内科医ではなく家庭医療専門医の方がよい、でなければならないという主張を理論的、学術的に本書で行うことができれば、より説得力のある書籍となったはずである。(せめて、日本におけるecology of careの研究ぐらいは引用してもよかったのではないだろうか?) COI: 著者より贈呈いただきました https://amzn.to/2RRJMLc

Posted byブクログ