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翼の帰る処 番外編(2) の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2022/12/25

かつて帝国に滅ぼされた沙漠の都市国家アルハン。その元王子で、水を浄化する力を持つファルバーンは、大貴族《黒狼公》となった尚書卿ヤエトに正式に召し抱えてもらうため博沙国を訪れるが、そこにヤエトの姿はなかった。目的を失い無為の日々を過ごす中、博沙相からアルハンの水源調査を依頼されたフ...

かつて帝国に滅ぼされた沙漠の都市国家アルハン。その元王子で、水を浄化する力を持つファルバーンは、大貴族《黒狼公》となった尚書卿ヤエトに正式に召し抱えてもらうため博沙国を訪れるが、そこにヤエトの姿はなかった。目的を失い無為の日々を過ごす中、博沙相からアルハンの水源調査を依頼されたファルバーンは、北嶺から借り受けた鳥に乗って、なぜかやって来た皇女、鳥の世話役アルサールらとともにアルハンの呪われし廃墟、地下迷宮に向かうが――!? 刊行後すぐに購入したもののずっと積んでいた。あーもうなんですぐ読まなかったんだ過去の私!!本編を読み返して間もなく読んだので、世界観に浸ったまま楽しめました。皇女を含めヤエトの周りの人も、ヤエト自身も、少しずつ変わっていって、最初のときとはずいぶん違う姿になったよねと感慨深い。キーナン目線での短編は意外だなと思うところも多くて、本編では影が薄かったのでこういう風に思っていたのか!とびっくりしました。養子になるって我々の感覚だと分からないところが多いけど、貴族はよくあることだし、割り切っているのかなとは思ったけど、それとは別にきちんとこの子はヤエトを尊敬して近づきたいと願っているんだな。いい領主になるでしょう。明るい未来を示唆する終わり方で良かった。

Posted byブクログ

2020/05/20

この作者さんの文章は、水のようにすらすらと読め、言葉が脳のフィルターに引っかかることなく、直接映像が脳内に描かれる感覚で楽しめる。毎回楽しみにしている。 「ことば使いと笑わない小鬼」 ファルバーンの視点でのお話。やりたいこととか、目標とか目的とか、そもそも自分自身を見失ったような...

この作者さんの文章は、水のようにすらすらと読め、言葉が脳のフィルターに引っかかることなく、直接映像が脳内に描かれる感覚で楽しめる。毎回楽しみにしている。 「ことば使いと笑わない小鬼」 ファルバーンの視点でのお話。やりたいこととか、目標とか目的とか、そもそも自分自身を見失ったような、かといって悲観的になるわけでもなく淡々とした状態のファルバーンが、指示を受けて言われるがままに地下迷宮での調査に向かう。伝達官と皇女とアルサール(と鳥)と過ごすことで、なにかを取り戻す、あるいは得る、お話。ファルバーンは登場人物の中でも好きなキャラクターで、今回彼の思考を知ることができたのは良かった。 「ヘルムデル先生の帽子」 キーナンの学園生活を、彼の手紙の下書きをたよりに描かれている。キーナンの独白は楽しく(ヤエトのそれに似てるな)、新キャラである友人たちとのかけあいは楽しい。厳格なヘルムデル先生との関係の着地点がとてもいいな、と思った。

Posted byブクログ

2020/05/17

本編の主人公であるヤエトといいこの本で中心であったファルバーンといい、わりと感情の起伏がない人が中心部に据えられていると、周囲の感情の動きが眩しく感じられて、個人的には感情の起伏が少ない方に引き摺られがちだと気付かされた一冊。それぞれの感情の動きと、そこに絡む周りの人達の交流が心...

本編の主人公であるヤエトといいこの本で中心であったファルバーンといい、わりと感情の起伏がない人が中心部に据えられていると、周囲の感情の動きが眩しく感じられて、個人的には感情の起伏が少ない方に引き摺られがちだと気付かされた一冊。それぞれの感情の動きと、そこに絡む周りの人達の交流が心地良かった。 あと若様にヤエトの想いが受け継がれていく様子が思い浮かぶようでとてもよかった。

Posted byブクログ

2020/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

番外編第二弾。 今回、ファルバーンの短編、キーナンの学舎生活、そして本編終了後のヤエト先生の短編。どれも楽しく読ませていただきました。 ファルバーンがヤエト先生に微妙に似てることも新たな発見でしたが、伝達官が、確かにルーギンっぽい(表紙もあのエセ爽やか笑顔が・・・失礼)。皆さん皇女に振り回されて大変ね、と微笑ましく思いました。 キーナンの学舎生活も、「おお、この子、ご隠居とは違う感じの大物になりそう」な感じで、将来楽しみです。 ヤエト視点の短編、皆さん、先生のことを大好きですよね。皇妹がこの場にいたら、ヤエト先生はまたダウンしちゃってたんじゃないだろうか。 皇女の切り開く未来に、ヤエトがずっと付き添っていけるといいな、と。 そして、物語は終わっているけど、彼らの続きが読みたーい、と思いました。

Posted byブクログ