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離婚の経済学 の商品レビュー

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2024/05/26

離婚にまつわる言説を統計的データを元に、文化的な背景を論拠として探る。 現在の離婚率が斯々然々であるという出発点もトピックとしては刺激的であるが、かつての日本や諸外国との数値上の違いが存立する文化的違いに還元されうるという説明自体は興味深い。 表題含め、危機を論って耳目を引こう...

離婚にまつわる言説を統計的データを元に、文化的な背景を論拠として探る。 現在の離婚率が斯々然々であるという出発点もトピックとしては刺激的であるが、かつての日本や諸外国との数値上の違いが存立する文化的違いに還元されうるという説明自体は興味深い。 表題含め、危機を論って耳目を引こうという際どさのようなものは良くも悪くもさほど感じない。

Posted byブクログ

2023/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結婚や離婚による経済的な影響に興味があるので読了。 読めば本の帯にある『結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐の欠如、再婚は記憶力の欠如』の意味がわかる。男女の違い、リスクを考えるとなぜこれほどの方が結婚してるのか疑問でしかない。 離婚の原因は経済面、異性関係、暴力が多い。 上記はある程度未然(結婚前に見極めるなど)に防ぐことができるが、以下はもうどうしようもないと思った。著者によると、夫よりも妻が稼げば夫は男としての面子を保つために他で不倫(浮気)をし、妻に経済力があれば離婚しても経済的な危機に陥ることは少ないため離婚率は上がるという。 逆に妻が専業主婦だと離婚した際に経済的危機に陥ることが多く、浮気を黙認したりして結婚生活を続けざるを得ないこともあるという。 そして不倫も米国では20-30%の人がしており、 日本でも男性の25%近く、女性は10%弱がしているという。 托卵の話がでてきており、女性の戦略として魅力的な男性の子供を身籠ることを求めるものの、相手は不誠実で浮気性なため子供を育てる相手には適さない。そこで一途で尽くしてくれる相手に托卵させる…の部分は妙に納得してしまった。男性に「好きになる相手(魅力的な相手)と結婚したい相手(子育てにコミットしてくれそうな相手)は違う」と言っても理解されなかったが、恐らくこのようなことではないかと。 以上のようなリスクから合理的、冷静に判断すれば 結婚したいと思わないので、判断力の欠如であることに納得した。

Posted byブクログ

2021/01/27

新書の定めか、折角の研究データ、図表が小さく、残念。 「経済」により深く斬り込み、未来予測が有れば、と、これも残念。

Posted byブクログ

2020/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」(フランスの劇作家、アルマン・サラクルー)。ロシアでは6~8割、アメリカでは5割、日本でも3組に1組が離婚する。その離婚について、国際的な比較、日本の離婚の歴史、不倫や離婚・養育費・再婚の実態を解説しながら、橘木氏のフィールドである「格差」に問題をひきつけ、ひとり親、とりわけシングルマザーの相対的貧困率・格差の問題状況を抉る。政府が2002年から進めている「福祉から就業へ。経済支援の負担割合を減らし、就業支援を拡充」の施策が、思うような結果を出しておらず、見直しが必要であることを力説。  先日の参院予算委員会の参考人招致で、政府諮問委員の慶応大教授竹森俊平氏が、スコットランドの哲学者トマス・リードの「鎖の強さは一番弱いつなぎ目で決まる。鎖は弱いところから切れる」という言葉を紹介され、新型コロナ対策は、日本の社会全体を維持していくためにも、社会の弱い部分への対応を進めなければならないと主張されていた。諸外国の対策を見ても、「ベーシックインカム」のように、国民に直接支援する流れが強くなってきている。日本も、政府の意図はともかく、その流れが以前にはなく出つつあるように感じる。こういう時だからこそ、この機を契機に、政策転換進め、社会全体を強くしていく視点での施策を期待。  離婚を格差の視点で見つめなおすのに好著。

Posted byブクログ