遺文 の商品レビュー

小杉健治(著者)

2020/11/26

家臣に切られた旗本を手当てした村松幻宗と宇津木新吾。
下手人は捉えられて牢屋へ入れられるのだが、牢医師として新吾が、診察したら、胃にシコリがあり、後少しの命であることがわかる。

その下手人は、何を思って主君を手にかけようとしたのか？
牢屋で、行われる抹殺の作造りや元岡引きの死に口を出す新吾。
医師は、余計な事を考えずに目の前の患者を診る事という幻宗の教えに逆らっているのだが、最後には、医師である前に、人としてどうあるかが、大切であり、自分のしている事が間違っていないと、信じるなら、迷う事はないと、諭す。

旗本の長尾久兵衛の犯した非道を告発した　家臣　赤城文太郎は、死をもって、告発する。
長尾家が、改易にならないように迄、考えた末の告発状を書いていた事に新吾は、気付く。

医師としての苦悩ばかりが、書かれている事が多かったのだが、今回は、主君の非道に対する家臣の思いが、3年前の押し込みとされた事件からの発端であった。

次は、信吾は、牢屋医師から、番医師に・・・・
何が始まるのか？
そして、花村潤斎氏とは・・・・

2020/08/10

第十一弾
旗本の治療から始まった事件、牢屋に入れられた殺傷事件の犯人、背後の過去の強盗殺人事件の真相が
作者の入り組んだ登場人物を上手く交錯させ事件の真相に、続けて三巻読むと先読みが可能？