奨学金なんかこわくない！ の商品レビュー

栗原康(著者)

2022/10/03

著者の主張や立ち位置は、やはりいくらか大きく振れたものであるとは感じるが
国家の経営を司る高等教育に関しての問題自体は、頑然とそして平然と横たわっており
隣の芝生を求めるでないにせよ、他国との比較や、国内での動向が普段意識されない領野でいかに行われているか
問題の端緒をつかむ上では著者のバイタリティが重きをなしていると感じる。

2021/05/03

僕も奨学金を抱えている。いずれ返さなければならない（ことになっている）。アメリカ人の友だちに奨学金を借りているといったら、それは奨学金ではないローンだ、と正論を返されたときにも、奨学金という名前で借金させるのは意味がわからないなと思ったが、この本は、そもそも金を貸し付けられるということの社会的な意味を対象化して、読者にそれでいいのか？と突きつけてくる。なるほど、大学に行こうと思ったら否が応でも借金をしなければ行けない状況に置かれる人がいるというのは、たしかに公平ではない。理不尽だ。

2020/08/30

大学は管理された就職予備校、画一した世渡りを教える組織になり、多分昔大学に住みついていたわけのわからない人びとは住むところを追われたのだろう・・　日本育英会は日本学生支援機構と名前を変え、貸金になったそうな。「この道しかない」という言説の前にひざまずくのではなく、少しでも亀裂を入れていく姿勢を保つことが生き延びていくために必要とされているのだろう・・