野垂れ死に の商品レビュー
編集者・編集長だったからって、文章が上手だって訳じゃ ないんだよな。本書を読んで実感した。 ビートたけし襲撃事件後の「フライデー」で、部数低迷時の 「週刊現代」で。それぞれに編集長の地位につき、後に名 編集長と言われた著者による回想録。 なんだけどね。時系列が飛びまくって読み...
編集者・編集長だったからって、文章が上手だって訳じゃ ないんだよな。本書を読んで実感した。 ビートたけし襲撃事件後の「フライデー」で、部数低迷時の 「週刊現代」で。それぞれに編集長の地位につき、後に名 編集長と言われた著者による回想録。 なんだけどね。時系列が飛びまくって読みにくいことこの 上ないのよ。まぁ、最後には収まるところに収まるのでは あるんだけどね。 それでも、あまりの文章の下手さに同じ個所を何度も読み返す こと、しばしばでしたよ。 編集者からしたら「古き良き時代」なのかもしれないね。 経費は使い放題、残業もつけ放題。飲み代・食事代は「取材」と の名目ならぜ~~~んぶ会社持ち。タクシーだって使い放題 なんだもの。 わたしゃ弱小編集プロダクションだったから、残業代なんて 一切ありませんでしたけどね…ボソ。深夜帰宅でのタクシー代 くらいしか経費になりませんでしたよ。 今とは時代背景が違うから、経費の話では「それって業務上 横領になるんじゃないのか?」ってのも結構あった。 まぁ、さすが大手出版社だよね。上限なしで使い放題だよ。 羨ましい。 「フライデー」「週刊現代」の売り上げ部数を伸ばした人だから 仕方がないのかもしれないが、自慢話のオンパレードで少々 鼻につく。 それでも文章が上手ければ気にならなかったかもしれないが。 尚、私が敬愛する本田靖春氏(故人)と交流があり、氏との エピソードがほんの少しだが出ていたので、それは嬉しかった。 講談社という会社の一面を知るには参考になった。
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実名の登場人物も多く、大丈夫か?と心配になった。 内輪話と言えばそれまでだが、講談社の体質を垣間見られる。 面白いのは、フライデーと週刊現代の編集長時代。 情報に対して大盤振る舞いだったのが驚き。
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オリンピックという標的を得て、ますます文春砲はバンバンぶっ放していますが、一方、週刊文春、週刊新潮そろって電車の中吊り広告を止めるという時代の変わり目のようなニュースも今月のものでした。1997年に発行部数のピークを迎えた週刊誌。「週刊誌が一番いい時代に編集長を努めていた私は果報...
オリンピックという標的を得て、ますます文春砲はバンバンぶっ放していますが、一方、週刊文春、週刊新潮そろって電車の中吊り広告を止めるという時代の変わり目のようなニュースも今月のものでした。1997年に発行部数のピークを迎えた週刊誌。「週刊誌が一番いい時代に編集長を努めていた私は果報者である。」というフライデー、週刊現代の編集長だった著者の「あの時、俺は若かった」本です。たけし襲撃後のフライデーや「イロ・カネ・出世」路線が行き詰まった後の週刊現代をイケイケで盛り返していく、そんな思い出がいっぱいです。ヘアヌードという言葉も著者の創造とのこと。また小沢一郎への取材やオウム真理教でのスクープなどもこういう編集長がいてアクセルを踏んでいたのか、と思いました。そして、このイケイケ感とサラリーマンとしてのジレンマが、本書の特徴。無頼感と出世欲のストラグルが、会社の先輩の愚痴を聞いているような気分になりました。もうひとつ、本書の苦さの要因は、取材を支えた記者たちの人生。「体制の『ポチ』」になることを良しとしなかった本田靖春を始めとした名物記者たちの思い出が語られています。最終章では小柳明人、朝倉喬司、水谷喜彦…今は知る人も少数であろう記者たちの墓碑銘が記されています。立花隆の死によって最良の雑誌文化の最後というような評伝も読みましたが、彼のようなスーパースターの光とともに影の記者たちの存在があって雑誌が文化足り得ていたのかもしれない、とふと思いました。
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著者を知っていたから手に取った、というわけではなく、古いタイプの出版人という感じがしたので(それはタイトルに表れている)、興味を惹かれた。 所属する組織と共存しつつも、表現の場を仕事とする個人との関係の仕方が興味深かった。
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少し前に後藤正治さんの「拗ね者たらん 本田靖春 人と作品」を読みました。その中に本田さんの所縁のひとりとして本書の著者元木昌彦さんも登場していて記憶に残っていたので、いつも行く図書館の新着書の棚で目に留まったというわけです。 「FRIDAY」編集長・「週刊現代」編集長を歴任...
少し前に後藤正治さんの「拗ね者たらん 本田靖春 人と作品」を読みました。その中に本田さんの所縁のひとりとして本書の著者元木昌彦さんも登場していて記憶に残っていたので、いつも行く図書館の新着書の棚で目に留まったというわけです。 「FRIDAY」編集長・「週刊現代」編集長を歴任の後フリーに転身した元木さんですが、本書は、自らの講談社時代のエピソード取り上げ、その時の心情や内幕を吐露した回想録です。 当時元木氏と深く付き合った方々(多くは物故者)との思い出を紹介したくだりは劇画のようで、元木氏本人の生き様とともに、かなり強烈です。私なぞ、もちろんそういった能力も適性もありませんが、「雑誌の編集長」は絶対に務まらないですね。
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