格差は心を壊す 比較という呪縛 の商品レビュー
『サイエンスフィクション』読了後のため、本著のような目新しさが”ある”社会学的な研究成果には疑念がいくらか芽生えざるを得ないのだが、その点は譲歩するならば 主張の骨子としては絶対的幸福と相対的幸福をどう捉えるべきかという問題において、ピンカーが述べたような、イメージや一種の体感と...
『サイエンスフィクション』読了後のため、本著のような目新しさが”ある”社会学的な研究成果には疑念がいくらか芽生えざるを得ないのだが、その点は譲歩するならば 主張の骨子としては絶対的幸福と相対的幸福をどう捉えるべきかという問題において、ピンカーが述べたような、イメージや一種の体感としての「貧しさ」のようなものは、実際のところ相対的なものであって時代を経て改善されているものなのだから悲観すべきではないという定量的な論拠に対して、格差という相対性こそが精神面ばかりでなく経済効率性のような実体的な数字にすら悪影響を及ぼすというもので、新自由主義へのアンチテーゼとしては巷間あげられる論よりも抜本的ではあった。 イノベーションや、あるいは個人の自己実現においてすらも、必要と発明の関係性に似た、格差をもたらすようなダイナミクスが不可欠なのかどうかは、ひいては社会や経済のあり方にも拡大しうる視点だと思われるが、格差がなければ良いことづくしという読み取り方ではユートピアでしかないか。
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階層社会でないと、年齢を重ねるごとに血圧があがることはない(ストレス要因だから) うつ病にも社会格差があり、最貧困層が一番多い うつ病や不安症の反対が自己愛、強すぎると共感を欠きリスク性向が高まる 不平等な社会ほど子供のいじめが一般的になり、女性は男らしい顔を好む 不平等が経済成...
階層社会でないと、年齢を重ねるごとに血圧があがることはない(ストレス要因だから) うつ病にも社会格差があり、最貧困層が一番多い うつ病や不安症の反対が自己愛、強すぎると共感を欠きリスク性向が高まる 不平等な社会ほど子供のいじめが一般的になり、女性は男らしい顔を好む 不平等が経済成長を助長させることはない 貧困は精神的なストレスを通じて子供の理解能力に悪影響を及ぼす
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格差はない方がいいよねーっていう本。 今ある格差という状態以上に、それ以降の経済発展にも影響が大きいということがよくわかる。 国ごとに悩みの種はあるもんですね
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研究結果から政策提言といった感じで、個人としては、面白いけど、さてどうしたものかというのは否めない。企業の在り方について、従業員所有を提言しているのは、良いなと思った。格差が少ない国として日本のデータが使われているが、正規/非正規格差はOECDのレポートでも言及されるぐらいには国...
研究結果から政策提言といった感じで、個人としては、面白いけど、さてどうしたものかというのは否めない。企業の在り方について、従業員所有を提言しているのは、良いなと思った。格差が少ない国として日本のデータが使われているが、正規/非正規格差はOECDのレポートでも言及されるぐらいには国際的にも知られてるので、受け止め方が分からない。
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格差が拡大すると,周りからの社会的評価が気になり,社会との接触をなくしたり,心の病に罹ったりする傾向がある。それはどの階層にも作用するが,所得階層が低い方がその傾向が強くなる。もしくは,他との違いを出そうとして,自己誇示をする傾向や自己愛が強くなる傾向がでる。そうした内容が,数...
格差が拡大すると,周りからの社会的評価が気になり,社会との接触をなくしたり,心の病に罹ったりする傾向がある。それはどの階層にも作用するが,所得階層が低い方がその傾向が強くなる。もしくは,他との違いを出そうとして,自己誇示をする傾向や自己愛が強くなる傾向がでる。そうした内容が,数多くの先行研究や報告書を参照しつつ,述べられていた。500以上の参考文献には驚いた。 人間社会は狩猟社会だったときは平等社会で,農耕社会になってから格差が生じたらしい。エピジェネティクスの観点から,人間は平等性の志向と差をつけたがる志向の両方があり,どちらに傾くかは環境によるとの指摘が興味深かった。不平等を縮小していけば,心の病等の健康問題がどこまで解決するのかが気になる。 あと,狩猟社会に関する文化人類学の研究を調べたいと思った。
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■英国人経済学者と英国人疫学者の共著による、429ページもある分厚い書籍。だが、人類学や格差問題に興味がある人にとっては読み応え充分。名著だと思う。 ■結論は格差が少ない社会は比較という呪縛から逃れることができ、より多くの幸福を実現できる可能性が高いということ。それを様々な形で検...
■英国人経済学者と英国人疫学者の共著による、429ページもある分厚い書籍。だが、人類学や格差問題に興味がある人にとっては読み応え充分。名著だと思う。 ■結論は格差が少ない社会は比較という呪縛から逃れることができ、より多くの幸福を実現できる可能性が高いということ。それを様々な形で検証している。
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レビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12616370954.html
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