ループ・ループ・ループ の商品レビュー

桐山徹也(著者)

2021/04/12

やや冗長で面白くなるまでが長い。
各キャラクターにエピソードはあるが、登場人物が多くばらけた印象なのでもう少し人数を減らしても良さそう。
また、名前のあるキャラクター(特に女性)に外見が良い人が多く、頭の中で描く顔が似たり寄ったりになってしまった。
オチも早い時点で予想ができてしまったのが残念。

あと内容に関係ないが、みんな夜寝ないで何回もループしているので、リセットされて体力的に問題なくても、記憶が持ち越されるということは脳の疲れは取れないだろうから結構しんどいだろうな。

2021/02/23

設定とかは面白かったし、主人公がきっかけでないところもいいところ。
ただ、繰り返してるきっかけが助けられた側なのは分かるけど、それを助けたきっかけで最初の行動と変わる人はたくさんいるはず。例えば、事故が起きた時に、通報してた人たちがいたはず。その微妙なズレが起こるはずなのが、何故か気づかないのは不思議だな〜って。ハンカチの流れもそうだし。あくまで設定だし、仕方ないかなーとも思うけど、ずーっと気になってた。

2021/02/23

とても良かった。ループしている十一月二十四日を、飽きることなく最後まで楽しんで読むことができた。
本来ならば出会うはずではなかった人たちと出会い、ループする理由を探るために共に行動を起こして、日々を過ごしている姿は限りなく青春だと感じた。自分が何気なく生きる日々の中で、楽しかったり、感動したり、いい一日だったと感じることはあるが、忘れられないという一日は思いつかず、大切だと感じた一日もいつの間にか忘れていることに気付かされた。　

2020/10/02

仕組みは面白かった。ループで怪我も治ってしまうから疲れも残らないとはいえ、休息感が得られてるのか気になってしまった。死んでも生き返るから都合が悪くなったら自殺するなんて得意気に言ってる時点で小者。案の定な展開でした。

2020/09/23

京子が、彼氏の悠樹が（京子を殺した）ツッキー（先生）を殺さないように呪いをかけてて、そうしようとしてるのを止めるために何回も日がループしてた。友達の「通れない」って言葉で、だれがきっかけに一日をループしてるのか気付くのよかった。毎日新しい人にであって、それが友達になって、同じ一日を繰り返す理由を探す。

私は結構誰かと遊んだ日や嬉しいことを言ってもらえた日、頑張った日、特別楽しかった日、忘れたくなくて覚えてるタイプなんだけど、これを読んだときに最後の一文を幾度となく繰り返して生きてきたなと思った。日付を意識する前のこととか、最近のこととかは全然わからなくて、そういうなんでもない日を、記憶に溶けていく毎日を、忘れてしまったはずの確実に過ごした一日を積み重ねて今日も生きてるんだなって。覚えてもないものの延長線上に自分がいるなんて不思議だ。

2020/08/27

そこそこよかった。
SFのループ系という様式を上手に使いこなしており、ミステリの謎解きに必要不可欠な形で生かされているのがとてもよかった。
反面、短すぎて人物の内面や人間関係の書き込みが足りないと感じた。1.5倍くらいの量になってもいいからその辺丁寧に書き込んだほうが読み終えた時のカタルシスが強くなると思う。人物が書き割みたいになってしまうと、小説の世界の実在を読みながら信じられなくなってしまうので、読み終えても誰かが作った作り話を読んだ感触しかない。
量が少ないこととの絡みでは、伏線やミスディレクションがほとんど存在しないので、ストーリーが単線的なのも気になった。
とはいえ楽しく夢中で読めた。

2020/08/14

序盤から犯人が特定しやすくオチが見えてしまって、いい意味の裏切りがなかった印象。中高生向けの一冊だと思う。