デュラス×ミッテラン対談集 パリ6区デュパン街の郵便局 の商品レビュー
私は政治には疎いけど、その人物像に惹かれる政治家が何人かいる。チャーチル、ド・ゴール、吉田茂、ゴルバチョフ…中でもミッテランは政治家としての並外れた手腕もさることながら、その人生で経験してきたことがら、その気質、詩的な語彙力、どれをとっても、ずば抜けて魅力的な人物。自分の死期が迫...
私は政治には疎いけど、その人物像に惹かれる政治家が何人かいる。チャーチル、ド・ゴール、吉田茂、ゴルバチョフ…中でもミッテランは政治家としての並外れた手腕もさることながら、その人生で経験してきたことがら、その気質、詩的な語彙力、どれをとっても、ずば抜けて魅力的な人物。自分の死期が迫っているのを感じながら、スポットライトの中をバスクの民族衣装を着た女の子と手をつなぎながら静かに歩いていたアルベール五輪開会式の姿が今でも目に焼き付いている。 そんな彼と、これも大好きな作家、デュラスとの対談集。レジスタンス時代の壮絶な体験からアフリカ、アメリカ、そしてフランスの歴史や民族気質を交えた政治の話。どちらかというと右寄り、保守的、直感でものを判断しがちなデュラスと、左派、(多少の非合法も含めて)実践的、あくまでも人権、平等を標榜とするミッテランとは時々意見が対立するが、どちらが正しいとかいうのではなくて読んでいてとても面白い。
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