変容する都市のゆくえ 複眼の都市論 の商品レビュー
下北沢地域の紛争と歴史的背景の章を読むために手に取りました。 ざっくりとメモ… # 下北沢の流れ ・細い路地で狭小な物件が多かった →賃料が安いため、個性的な店でも成立できた ・人気が出て、1980年頃から基準地価格が上がる →店の入れ替わりが激しくなる→新しい店が生まれ...
下北沢地域の紛争と歴史的背景の章を読むために手に取りました。 ざっくりとメモ… # 下北沢の流れ ・細い路地で狭小な物件が多かった →賃料が安いため、個性的な店でも成立できた ・人気が出て、1980年頃から基準地価格が上がる →店の入れ替わりが激しくなる→新しい店が生まれやすくなる →迷路のような構成の街ゆえに、「新しい店の発見」が価値になる ・2004年に再開発("開かずの踏切"の撤去)が発表 →地価が上がり、個性的な店が成立せず、チェーンで没個性するのでは? →「新しいモノが生まれつづける街」が終わるのでは? # 街の「当事者」「よそ者」の概念 地権者>住民>借家層(商業者)>来街者 これをY軸として、X軸に「年数」を入れて、通常は右上が最強。 ただし下北沢の場合、来街者でも長年通う人は当事者意識が強いのが特徴。それが住民に受け入れられるのは、 ・住民ももともとは来街者だったことが多いため ・昔の下北沢のあり方に賛同できず、今の来街者を大事にしたいため ・来街者を重視しないと、経済的にも文化的にも衰えるため しかし6年にわたって何度も地権者、住民、来街者たちとの濃密な会議が行われて、紛争沙汰になってでも本当に何度も何度もすりあわせて今の下北沢があるんだなと。感動。 音楽・演劇・お笑い・カルチャーの街、というのは平成で生まれた「新しい個性的なもの」の例にすぎず。もともとの「個性的な新しい店が生まれ続ける街」から線を引っぱっていくと、多様性、個性、創造性、新しいものとの出会い、公共性・我有感(歓迎)、そんなキーワードを意識して、これからの街の価値を再定義していきたいです。
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複数の論文を通して、サブタイトルにあるように複眼的に都市が論じられている。 ある時代のある都市の姿に焦点を当てた論文。ある土地を通史的に捉えた論文。農村と都市の関係性に関する論文。など、テーマが多様なため、本書全体の要約は難しい。
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