明日咲く言葉の種をまこう の商品レビュー

岡崎武志(著者)

2024/09/20

名言集では白眉だと思う。
等身大、生身の肌感がある。

P25
「人生ってそもそも『自営業』だからね」
（みうらじゅん）

P26
「この歳になってもまだ怒られるって
びっくりだよね」（みうら）

P40
「楽して儲けている人に近づくと
勤労意欲が萎える」（森まゆみ）

P106
「ひとは『私探し』じゃなく、
『私なくし』のためにこそ旅に出るんだ」
（みうらじゅん）

「努めて素直になりなさい。
拗ねてはいけません。
素直になるのがスランプから抜け出す最短の道です」
（伊藤整）

P126
「今の自分というのは『必然の蓄積』」
（中島らも）

P135
詩人というものに対する誤解に、
星や雲、美しい心を謳いあげる人という
イメージがあるかもしてないが、
むしろ現実に根ざしたところから、
一般の人が気づかないものの見方や考えを
ぴったりした言葉で提出できる人だと考えたほうがいい。

P143
「自分を卑しくすると、あとでさびしくなる」
（原節子）

P143
「ですから損得でものをしゃべったり、
行動したことはございません」
「そのために、おかゆしか食べられなくなっても、
いたし方のないことです」
（原節子）

P149
「幸福とは、
報酬を求めなかった人々のところへくる
報酬なのだ」（アラン）

P150
「悲観主義は気分に属し、
楽観主義は意志に属する」（アラン）

P149
いつも不満をもらしている人は、
その状態そのものが幸福ではない。

P164
「ばあさんはひとりでも生きられる。
一生、生活技術をみがいてきたからだ」
（富士正晴）

↑富士正晴のこの言葉を読んで
思わず稲垣えみ子の『家事か地獄か』を読み返した。
「『生きていくのに実際いくらかかるのか』という
実感。これは家事をして初めて身につくことだ」
「これができないと、お金に対してただやみくもに
執着することになる」（『家事か地獄か』P84）
「家事ができること、すなわちお金に頼らず
自分で自分の生活を整える手段を持っていることは、
理不尽な困難さをどうにか生き延びるための、
超有力な助っ人になるはずである」（P85）